労働契約法の10年を振り返る座談会

 ジュリストという法曹関係者向けの雑誌の2017年6月号に,「労働契約法の10年を振り返って」という座談会が掲載されています。東京大学教授の岩村正彦先生,荒木尚志先生,使用者側の弁護士の木下潮音先生,労働者側の弁護士の水口洋介先生が,労働契約法が制定されてから10年間にあった争点について,分かりやすく解説しています。

 

 

 私は,労働契約法の3条や4条の総則規定の位置付けについての先生方の捉え方に着目しました。労働契約法3条や4条の総則規定は,訓示規定(公の機関に義務を課している法令の規定で,これに違反しても,行為の効力には別段の影響がないもの)ではあるものの,労働者が使用者に対する交渉の入り方として利用でき,裁判においては,これらの条文に基いて裁判所は解釈すべきと言える意味において重要であるという点です。労働契約法3条や4条に違反しても,すぐに労働契約が取消されたり,無効になることはないですが,法律の解釈の仕方に影響を与えるという点で,交渉や裁判の実務において,どのように活用すべきかのヒントを得られました。

 

 今後は,平成30年4月に向けて,労働契約法18条の5年無期転換ルールが問題になりそうです。すなわち,労働契約法18条では,有期労働契約が5年を超える労働者は,使用者と無期労働契約を締結できる,すなわち正社員になることができるという規定です。この無期転換権が平成30年4月から行使することが可能になるので,5年経過する前に雇止めが多発することが懸念されています。無期転換権について勉強して,雇止め問題が生じた場合に,労働者の権利を実現できるように,今後とも精進していきたいと思います。

 

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