解雇されたら失業給付を受給する

会社を解雇されてしまったら,

次の仕事がみつかるまで,

収入がゼロになってしまいます。

 

 

次の仕事が早く見つかればいいのですが,そうでない場合,

労働者は,今後どうやって生活をしていくか悩みます。

 

 

そこで,解雇された労働者は,ハローワークへ行き,

失業給付(雇用保険の基本手当といいます)を受給するべきです。

 

 

 

 

失業給付を受給できれば,当面の生活を

維持することができますので,その間に再就職したり,

会社と争う準備をすることができます。

 

 

さて,この失業給付を受給するには,受給資格が必要です。

 

 

失業給付の受給資格とは,基本的には,

離職した日以前2年間に,

雇用保険の対象者であった期間が

通算12ヶ月以上であることです。

 

 

そのため,働いていた期間が1年未満であれば,

失業給付を受給できない可能性があります。

 

 

会社から解雇された場合,会社から離職票を送ってくることが多いです。

 

 

会社から離職票が送られてこない場合には,

ハローワークから,会社に離職票を発行してもらうように

連絡をしてもらう必要があります。

 

 

解雇を争う場合であっても,

解雇後の生活を安定させなければならないので,

労働者が離職票を要求しても,

解雇を容認することにはなりません。

 

 

会社から離職票が届いたら,まず,離職票の内容をよくチェックします。

 

 

 

 

離職票のチェックポイントは,

離職票の左の欄の賃金額と,右の欄の離職理由です。

 

 

まず,離職票の賃金額が正確に記載されているかを,

自分の給料明細と照らし合わせながらチェックします。

 

 

離職票の賃金額が不正確ですと,

もらえるはずの失業給付の金額が減るおそれがあるからです。

 

 

次に,離職票の離職理由が,

実際の離職理由と一致しているのかをチェックします。

 

 

解雇の場合,会社がこっそりと離職票の離職理由に

自己都合退職と記載してくることがあります。

 

 

これを訂正せずに,そのまま提出してしまうと,

後から裁判になって,会社は,

解雇ではなく自己都合退職だったと主張してきて,

解雇を争えなくなるおそれがあります。

 

 

そのため,離職票の離職理由をよくチェックし,

間違いがあれば,ハローワークに相談して,

会社に訂正を求めるべきです。

 

 

会社が訂正に応じない場合には,

「離職者記入欄」と「具体的事情記載欄(離職者用)」に

実際の離職理由を記載し,「離職者本人の判断」の欄に

「異議あり」に○をつけます。

 

 

自己都合退職の場合は,失業給付を受給するまで

3ヶ月の給付制限がありますが,解雇の場合は,

このような給付制限はありません。

 

 

 

また,解雇されたけれども,どうしても復職したい場合には,

失業給付の仮給付(条件付給付)という手続きをとります。

 

 

仮給付を受けるためには,ハローワークに,

裁判所の受付印のある訴状や労働審判申立書を

提出しなければなりませんので,手続きに時間がかかります。

 

 

仮給付の場合,復職が認められれば,

受給した仮給付を返還しなければなりません。

 

 

解雇されて復職を求めるのではなく,

金銭解決を求める場合には,

失業給付の本給付(通常の失業給付の受給のことです)を受給します。

 

 

本給付であれば,返還する必要はありません。

 

 

労働者は,解雇された場合,

失業給付を受給して,生活を安定させるべきです。

 

 

その際,離職票をよくチェックしてください。