三菱電機のパワハラ自殺において自殺教唆の刑事事件に発展した意義

1 パワハラ自殺が自殺教唆の刑事事件に発展

 

 

三菱電機の20代の新入社員が

教育主任から「死ね」などと言われて自殺した事件において,

兵庫県警は,この教育主任を,自殺教唆の疑いで

神戸地検に書類送検したようです。

 

 

https://www.asahi.com/articles/ASMD65HGDMD6ULFA021.html

 

 

報道によりますと,自殺した新入社員は,自殺する前に,

この教育主任から「死ね」などと言われていたことを

メモに残していたようで,そこから捜査が始まったものと思います。

 

 

捜査の結果,自殺した新入社員が教育主任から

「死ね」と言われていたのを聞いたと,

複数の社員が証言したようで,

証拠がある程度集まったのでしょう。

 

 

刑法202条の自殺教唆の犯罪は,

自殺の決意を有しない者に対して自殺を決意させた場合に成立します。

 

 

 

三菱電機の事件では,上司である教育主任が

部下である新入社員に対して,「死ね」と精神的な攻撃を加えて,

自殺を決意させたので,自殺教唆の犯罪が成立する可能性はあります。

 

 

2 自殺の因果関係

 

 

また,精神的な攻撃によるパワハラで,

うつ病を発病した労働者が自殺した場合,

精神疾患の労災認定基準では,

精神障害によって正常の認識,行為選択能力が著しく阻害され,

あるいは自殺行為を思いとどまる精神的抑制力が

著しく阻害されている状態に陥ったものと推定して」,

仕事が原因でうつ病を発病して自殺したという因果関係が認められます。

 

 

この考え方は,うつ病を含む精神障害は,

環境由来のストレスと個体側の反応性・脆弱性

との関係で発病するのであり,ストレスが非常に強ければ,

個体側の脆弱性が小さくても精神障害が起こるし,

逆に,個体側の脆弱性が大きければ,

ストレスが小さくても精神障害が起こるという,

ストレス・脆弱性理論をもとにしています。

 

 

そのため,労働者に,精神的な攻撃などのパワハラによって,

強度な心理的負荷が加わった場合,

仕事以外の心理的負荷がないのであれば,

仕事と精神障害の発病及びこれを原因とする自殺との間に

因果関係が認められるのです。

 

 

この精神障害の労災認定基準における因果関係の考え方は,

今回の三菱電機の自殺教唆事件においても,

応用できるのではないかと考えます。

 

 

ただ,刑事事件では,新入社員が自殺してもいいと,

教育主任が認識していることが必要で(これを故意といいます),

起訴まで持ち込むのには,ハードルが高いものです。

 

 

教育主任の故意を立証するための証拠を

固められるのかがポイントになると思います。

 

 

3 「死ね」などと言うパワハラがなくなることを期待したい

 

 

パワハラ防止措置義務が法律に明記され,

パワハラに対する世間の目が厳しくなっていく中で,

今回の自殺教唆が刑事事件に発展しました。

 

 

 

今回の自殺教唆の刑事事件において,

教育主任が起訴されて有罪となれば,

強力な抑止力となって,上司が部下に「死ね」などと言う

パワハラが減少すると予想されますので,

この刑事事件の動向に注目したいです。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

立花Beブログ塾レベル2第3講を受講しました

1 自己実現から自己超越へ~マズローの欲求5段階説~

 

 

昨日は,立花Beブログ塾レベル2第3講を受講しましたので,

アウトプットします。

 

 

 

日曜日にもかかわらず,ブログ塾に参加させてくれた妻に感謝です。

 

 

立花Be塾では,最初に心のあり方について学びます。

 

 

今回は,自己実現と自己超越について学びました。

 

 

マズローの欲求5段階説というものです。

 

 

人間は,生理的欲求→安全の欲求→社会的欲求

→尊敬・評価の欲求→自己実現の欲求というように,

下位の欲求が満たされていくと,

上位の欲求を満たそうとして行動するということです。

 

 

 

マズローの欲求5段階説については,

こちらのサイトにわかりやすく記載されています。

 

 

https://ferret-plus.com/5369

 

 

日本人は,バブルのころ,尊敬・評価の欲求のフェーズにいたのですが,

平成の失われた30年の時代に自己実現のフェーズに入ったようです。

 

 

このマズローの欲求5段階説には,まだ先があり,

自己超越というフェーズがあるようです。

 

 

自己実現のフェーズでは,一人称である

自分が満足すればそれでよかったのです。

 

 

しかし,自己実現のフェーズにいるだけでは,

自己否定に陥りやすく,飛躍しにくく,

また燃え尽きやすいようです。

 

 

目指すべきは三人称の自己実現,すなわち,

自分が満たされて,周囲も満たされるという

自己超越のフェーズにいくことです。

 

 

ブログにあてはめれば,自分のブログを通じて,

自己実現をして,さらに自分のブログが誰かの役に立って

喜んでもらえるということです。

 

 

自分のブログが誰かに貢献していると実感できれば,

ブログの更新が楽しくなり,ブログを通じて自分が進化し,

より多くの人に貢献できるというプラスの循環ができるのです。

 

 

私は,ブログを初めたころ,

自分の専門知識のインプットとアウトプットのためと

集客という自己実現のことを考えていました。

 

 

しかし,素敵な仲間がいるコミュニティーでブログについて学びながら,

ブログを続けているうちに,読者から,

私のブログが役に立ちましたというコメントをいただくことが,

一番の喜びになってきました。

 

 

気づいたら,私は,自己超越のフェーズに入っていたのかもしれません。

 

 

このことをプラスに捉えて,今後とも働く人に役立つ情報を

ブログを通じて発信していこうと思います。

 

 

2 SNSを活用する

 

 

次に,SNSの活用について学びました。

 

 

 

私は,ブログを更新した後,フェイスブックに投稿していましたが,

そのとき,「ブログ更新しました」と記載していました。

 

 

しかし,「ブログ更新しました」と書くと,

フェイスブックの閲覧者は,「なんだ,ブログのお知らせか」と思って,

スルーしてしまうことがあるようで,

ブログの閲覧につながらないようです。

 

 

そこで,今後は,「ブログ更新しました」と記載するのをやめて,

ブログの記事内容のサマリーを書くようにします。

 

 

また,個人のフェイスブックページを作るといいことを学びました。

 

 

個人のフェイスブックページを作れば,フェイスブックをつかって,

細かいターゲティングをして広告ができたり,

自分が企画するイベントの集客に利用できるようです。

 

 

私は,まだフェイスブックページを作っていないので,

早速,私個人のフェイスブックページを作ってみようと思います。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

過労死の労災認定において本業と副業の労働時間と賃金が合算されるようになります

1 副業をする労働者が増えています

 

 

働き方改革関連法が成立し,

残業時間の上限規制が導入されることになり,

企業が残業時間を削減する流れになってきています。

 

 

残業がなくなることで,残業手当が削減されて,

収入が減少する労働者がでてくることが予想されます。

 

 

この残業手当の削減により,

収入が減少する労働者が収入を維持するために,

残業時間がなくなった分を副業で稼ぐことが考えられます。

 

 

 

また,これからは,同じ会社でずっと働くのではなく,

いつかは自分で独立することも増えていくことが予想され,

独立をみすえて,副業でスキルアップを図ることも考えられます。

 

 

そして,政府としても,イノベーションのために,

副業を推進しています。

 

 

とはいえ,本業で働き,副業でも働くことになると,

単純に労働時間が増えて,過労に陥りやすくなる懸念があります。

 

 

そこで,副業をする労働者が増加していく現状をふまえて,

副業をする労働者が安心して働くことができるように,

副業をする労働者の労災保険給付の見直しが検討されています。

 

https://www.asahi.com/articles/ASMDB43F0MDBULFA00L.html

 

 

本日は,副業における労災保険給付の見直しについて説明します。

 

 

2 過労死の労災認定基準

 

 

まず,働き過ぎで疲労が蓄積して,脳や心臓の病気にかかり,

死亡する過労死において,現在の労災認定基準では,

発症前1ヶ月におおむね100時間,または,

発症前2ヶ月から6ヶ月にわたって1ヶ月当たりおおむね80時間

を超える時間外労働が認められれば,原則として労災と認定されます。

 

 

この1ヶ月80時間から100時間の時間外労働が,

いわゆる過労死ラインと呼ばれているものです。

 

 

例えば,本業の仕事で1週間40時間働き,

副業の仕事で1週間25時間働いたケースで考えてみます。

 

 

時間外労働は,1週間で40時間を超えて働いた労働なので,

本業では時間外労働がなく,副業でも時間外労働がないことになります。

 

 

1ヶ月を4週で計算すると,

本業では40時間×4週=160時間となり,

時間外労働はゼロとなり,

副業では25時間×4週=100時間となり,

時間外労働はゼロとなります。

 

 

そのため,本業の労働時間と副業の労働時間を別々に算定すれば,

時間外労働は1ヶ月0時間となり,労災認定されないのです。

 

 

3 副業における労災保険給付の見直し

 

 

もっとも,本業と副業は別の仕事であっても,

労働者が長時間労働をしていることには変わりなく,

本業と副業の労働時間を通算すれば,

1ヶ月の労働時間は260時間となり,

1ヶ月160時間を超える,100時間が時間外労働となり,

労災認定されることになります。

 

 

 

そして,労働政策審議会において,

複数就業先での業務上の負荷を総合・合算して評価することにより

疾病等との間に因果関係が認められる場合,

新たに労災保険給付を行うことが適当」という見解が示されました。

 

 

ようするに,本業と副業の労働時間を通算した結果,

1ヶ月80時間から100時間の時間外労働があったと評価できれば,

労災認定されるわけです。

 

 

さらに,労災認定された場合,過労死の場合,

ご遺族に遺族補償給付が支給されます。

 

 

この遺族補償給付は,過労死した労働者の

直前3ヶ月分の賃金の平均である給付基礎日額をもとに計算します。

 

 

この給付基礎日額を算出するための賃金について,

本業の賃金と副業の賃金を総合して算定する方向になります。

 

 

その結果,ご遺族が受け取る遺族補償給付の

金額が増額することになります。

 

 

このように,本業と副業の労働時間が通算されて,

賃金が合算されることは,副業をする労働者にとって,

大きなメリットになります。

 

 

副業をする労働者が安心して働くことができるように

法整備がされることを期待したいです。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

セブンイレブンの残業代未払いの問題から残業代の計算を解説します

1 セブンイレブンの残業代未払い問題

 

 

コンビニ大手のセブンイレブンが長年,

アルバイトの残業代を未払いにしていたのを明らかにしました。

 

 

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53182840Q9A211C1TJ2000/

 

 

セブンイレブンの本部にデータが残っている

2012年3月以降だけで,

約3万人のアルバイトに対して,

遅延損害金を含めた未払い残業代の合計額は

4億9000万円になるようです。

 

 

 

未払い残業代の合計額は4億9000万円と巨額ですが,

1人当たりの金額は1万6000円になり,

そこまで大きな金額となってはいません。

 

 

もっとも,アルバイトに対する残業代の未払いは,

1978年から続いていたようですので,

本当はもっと大きな金額の残業代が

未払いのまま放置されていたようです。

 

 

セブンイレブンの残業代の未払いの原因は,

セブンイレブンの加盟店が雇用しているアルバイトの給与計算を

本部が代行していたところ,本部が

,残業代の計算を間違えていたようです。

 

 

本日は,セブンイレブンの残業代の計算の問題点について解説します。

 

 

2 残業代の計算

 

 

まず,残業代は次のとおり,計算します。

 

 

残業代=時間外労働等の時間×賃金単価×割増率

 

 

時間外労働等の時間については,

タイムカードなどの証拠をもとに,

1ヶ月当たりの残業時間を算出します。

 

 

賃金単価については次のとおり,計算します。

 

 

賃金単価=算定基礎賃金÷所定労働時間数

 

 

月給制の場合,月平均所定労働時間数は次のとおり,計算します。

 

 

月平均所定労働時間数 

=年間の所定労働日数×1日の所定労働時間数÷12ヶ月

 

 

3 算定基礎賃金とは

 

 

ここで,賃金単価を算出するための算定基礎賃金について説明します。

 

 

算定基礎賃金ですが,給料明細に記載されている賃金が

全て対象になるわけではありません。

 

 

 

給料明細に記載されている,各賃金の項目から,

①家族手当,

②通勤手当,

③別居手当,

④子女教育手当,

⑤住宅手当,

⑥臨時に支払われた賃金(結婚手当など),

⑦1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)

を除外して,算定基礎賃金を計算します。

 

 

また,適法な固定残業代であれば,

既に残業代が支払われているとして,

算定基礎賃金に含まれませんが,

違法な固定残業代は,算定基礎賃金に含まれます。

 

 

①~⑦の除外賃金と適法な固定残業代を除いた賃金が

算定基礎賃金になるのです。

 

 

例えば,皆勤手当は,その月に一度も欠勤しなければ

支給される賃金ですので,①~⑦の除外賃金ではないですし,

固定残業代でもないので,算定基礎賃金に含まれます。

 

 

4 割増率

 

 

次に,割増率について説明します。

 

 

1日8時間を超える時間外労働,

1週間40時間を超える時間外労働には,

残業代が支払われますが,

その割増率は125%となります。

 

 

また,22時から5時までの深夜労働の場合,

この時間帯が時間外労働ではなく,

通常の8時間勤務の時間帯であれば,

その割増率は25%になります。

 

 

5 セブンイレブンの残業代計算ミス

 

 

さて,マスコミ報道によりますと,セブンイレブンは,

欠勤せずに働いたアルバイトに対して,

店長の判断で支払える皆勤手当のような手当があるようで,

この手当について,125%の割増率を適用しなければならないのに,

間違えて25%の割増率を適用したようです。

 

 

皆勤手当であれば,算定基礎賃金に含まれるので,

皆勤手当や基本給などから賃金単価を計算して,

125%の割増率をかけないといけません。

 

 

 

このような計算間違いにより,セブンイレブンは,

遅延損害金を含めて合計4億9000万円の

残業代を未払いにしていたのです。

 

 

6 消滅時効

 

 

ところで,未払い残業代請求権は,2年の消滅時効があるので,

セブンイレブンがこの2年の消滅時効を主張すれば,

セブンイレブンが法的に支払わなければならない

未払い残業代はもっと少なくなると考えられます。

 

 

セブンイレブンが道義的に,消滅時効を主張せずに,

合計4億9000万円の未払い残業代を支払うのか注目したいです。

 

 

なお,民法の改正により,貸金の返還請求権などの債権の消滅時効は

原則5年になりますので,残業代請求権などの賃金債権の消滅時効が

2年のままなのは,不公正だと,

このセブンイレブンの未払い残業代の問題を見て,改めて思いました。

 

 

民法改正にあわせて,賃金債権の消滅時効を5年にすべきです。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

神様とのおしゃべり

1 幸せになる考え方

 

 

立花Be塾の課題図書である,

さとうみつろう氏の「神様とのおしゃべり」という本を読みましたので,

アウトプットします。

 

 

 

率直な感想は,非常に深い本であり,

一回読んだだけでは理解できない箇所があるので,

折に触れて読み返す必要のある名著ということです。

 

 

自分の心の動きにどう処するか,潜在意識をどう活用するか,

について学んでいる私にとって,新しい視点を与えてくれました。

 

 

このような名著を課題図書として紹介してくれた,

立花岳志さんに感謝です。

 

 

この本は,不満ばかり述べている平凡的なサラリーマンの主人公が,

幸せになるために,突如現れた神様と対話しながら,

人が生きていく上で大切な考え方を掴んでいくという

物語が記載されています。

 

 

この本から,私が大きく心を動かされた考え方を3つ紹介します。

 

 

2 「ない」ではなく「ある」を探す

 

 

1つ目は,「ない」ではなく「ある」を探すという考え方です。

 

 

人間は,どうしても,不足に目がいってしまいます。

 

 

例えば,お金がない,忙しくて時間がない,

など自分の不足していることに目がいって,

テレビに映っているお金持ちの優雅な生活をみて,

嫉妬をして,自分は不幸だと思いこんでしまうことがあります。

 

 

しかし,自分の周りには,多くの「ある」で満たされています。

 

 

健康な身体がある,自分の帰りを待っている家族がいる,

仕事がある,生活できる収入がある,などなど。

 

 

自分の周りを見渡せば,既に充足されていることに気づきます。

 

 

そのことに気づけば,今ある幸せを実感できます。

 

 

 

まさに,「足るを知る」ということです。

 

 

このように,不足に目を向けるのではなく,

充足に目を向けるようになると,潜在意識も充足を信じるようになり,

自分が幸せであることに気づくことができるのです。

 

 

3 しめしめ,これはきっと,うまくいく

 

 

2つ目は,「しめしめ,これはきっと,うまくいく」という考え方です。

 

 

人間は,目の前の現実しか経験できないのに,

別の選択をしておけばよかったと

目の前の現実に不満を言うことがあります。

 

 

人間は,同時に2つのことを経験できないので,

別の選択をしたら,人生がうまくいったという保証は何一つないのに,

別の選択をすればよかったと後悔します。

 

 

結局,自分が選択した現実が,

いいのか悪いのかについて,

私達は判断できないのです。

 

 

だから,自分が何かを選択して,悪い結果になったとしても,

「しめしめ,これはきっと,うまくいく」と考えれば,

後悔しなくてすみます。

 

 

目の前の悪い出来事は,自分が計算できていない,

未来の良いことの前兆なのかもしれません。

 

 

 

自分は大いなる何かに導かれていると信じて,

目の前の出来事を悪いと判断せずに,

判断を未来に先送りすればいいのです。

 

 

4 イーンダヨ

 

 

3つ目は,「イーンダヨ」という考え方です。

 

 

潜在意識について勉強していると,

よくネガティブな考え方をしてはいけない,

ネガティブな言葉を使ってはいけないと学びます。

 

 

人間である以上,どうしてもネガティブな考え方をしたり,

ネガティブな言葉を言ってしまいます。

 

 

しかし,ネガティブなことを考えるのが悪いのではなく,

ネガティブなことを考えたことを,

悪いことだと考えることが悪いのです。

 

 

そのため,ネガティブなことを考えたとしても,その後に,

ネガティブなことを考えても,「イーンダヨ」と心のなかで唱えれば

,ネガティブなことがポジティブに変わります。

 

 

「イーンダヨ」と心のなかで唱えることで,

すべてのことを引き受ける,

心のしなやかさが養われていく実感がわきます。

 

 

以上3つの考え方を紹介しましたが,この本には,

他にも素晴らしい考え方が記載されているので,

ぜひ多くの方に読んでいただきたいと思います。

 

 

私は,この3つの考え方を,

日々の習慣にしていくために,

実践していきます。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

電通の36協定違反から残業時間の上限規制を説明します

1 電通の36協定違反

 

 

2019年9月に,電通の高橋まつりさんが過労自殺したことが

労災と認定されるニュースが大々的に報道されて,

電通は,厳しいバッシングを受けました。

 

 

 

電通は,労働基準法違反で書類送検され,公開の法廷において,

刑事裁判の審議されて,罰金50万円の有罪判決となりました。

 

 

このニュースの影響は大きく,

長時間労働による過労死や過労自殺を撲滅する機運が高まり,

働き方改革において,残業時間の上限規制につながりました。

 

 

このように,厳しいバッシングを受けた電通でしたが,

残念ながら,2018年度に労働基準法違反があったとして,

労働基準監督署から是正勧告を受けたようです。

 

 

https://www.asahi.com/articles/ASMD44GM6MD4OIPE00G.html

 

 

本日は,電通の2018年度の労働基準法違反について説明します。

 

 

2 36協定

 

 

報道によりますと,電通は,労働組合との間で,

1ヶ月の残業時間の上限を45時間,

事前に申請すれば1ヶ月75時間に延長できる

36協定を締結したにもかかわらず,

1ヶ月75時間を超える違法残業をさせていたり,

事前申請なしに1ヶ月75時間まで残業をさせたケースがあったようです。

 

 

まず,労働基準法32条では,1日8時間,

1ヶ月40時間を超えて労働させてはならないと規定されています。

 

 

1日8時間,1ヶ月40時間を超えて労働させるためには,

会社は,36協定を締結して,

労働基準監督署に届け出なければならないのです。

 

 

36協定を締結せずに残業をさせたり,

36協定で定めた時間を超えて残業をさせた場合には,

労働基準法32条違反として,

6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられることがあります。

 

 

3 残業時間の上限規制

 

 

働き方改革関連法により,改正労働基準法では,

36条3項,4項により,残業の限度時間は1ヶ月45時間以下,

1年間360時間以下としなければなりません。

 

 

もっとも,「通常予見することのできない業務量の大幅な増加等に伴い

臨時的に限度時間を超えて労働させる必要がある場合」に限って,

限度時間を超えて,休日労働を含めて1ヶ月100時間未満,

休日労働を除いて1年720時間以下で残業させることを許容する

特別条項を定めることができます(労働基準法36条5項)。

 

 

この特別条項による残業は,

1ヶ月45時間という限度時間を超えて残業させることになるので,

法令で定められた事項を36協定に記載し,

その36協定が遵守される必要があります。

 

 

 

例えば,36協定の特別条項には,

限度時間を超えて労働させることができる場合や,

限度時間を超えて労働させる場合における手続を定めなければなりません

(労働基準法施行規則17条1項4号,7号)。

 

 

まず,電通では,限度時間を超えて残業できる上限を

1ヶ月75時間に設定していたようです。

 

 

1ヶ月75時間は,1ヶ月100時間未満ですので,

特別条項としては適法です。

 

 

しかし,特別条項の残業の上限を1ヶ月75時間としているので,

1ヶ月75時間を超えて働かせれば,

36協定の特別条項に違反しているので,

労働基準法違反になります。

 

 

また,電通では,1ヶ月45時間を超えて,

75時間までに働かせるためには,事前申請の手続が必要なのですが,

この事前申請の手続を経ずに,

1ヶ月75時間まで働かせたことがあったようですので,

この点においても労働基準法違反が認められます。

 

 

4 36協定のチェックは大切です

 

 

このように,会社は,36協定を締結したならば,

36協定に記載されていることを遵守しなければならず,

違反したらならば,労働基準監督署から行政指導されるリスクがあります。

 

 

労働基準監督署から行政指導されたことがマスコミ報道されれば,

風評被害となりますので,気をつけるべきでしょう。

 

 

また,労働者も,会社が36協定をしっかりと遵守しているのか

チェックしていくことが重要です。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

精神的な攻撃のパワハラ,賃金の減額,賞与の不当な査定が争われた事例

1 精神的な攻撃のパワハラ

 

 

本日は,昨日に引き続き,パワハラに関する裁判例を紹介します。

 

 

本日,紹介する裁判例は,キムラフーズ事件の

福岡地裁平成31年4月15日判決です(労働判例1205号5頁)。

 

 

この事件では,会社の代表者が,

原告である労働者に対して,次のような発言をしました。

 

 

 

「私はあなたのことをまったく信用していない」

 

 

「給料に見合う仕事ができていないと判断したら給料を減額する」

 

 

「私を無視し続けるということは,

会社をないがしろにしていると判断して,

あなたを解雇することもできる」

 

 

「遅い,急げ,給料を下げるぞ」

 

 

「給料分の仕事をしていない」

 

 

「27万円の給料をもらっている者の仕事ではない」

 

 

「もうこの仕事をできませんと言え。

そうすればお前をくびにして,新しい人間を雇う」

 

 

これらの言動は,給料を減額するや解雇するといった

不利益な取扱を示唆して,精神的に圧迫しておりますし,

給料に見合う仕事をしていないとして,

当該労働者の尊厳を踏みにじっているといえますので,

パワハラの6類型の1つの精神的な攻撃に該当します。

 

 

当然,これらの言動は,業務上の指導の範囲を逸脱しておりますので,

違法と判断されました。

 

 

しかし,原告の労働者は,半年以上の期間にわたって,

威圧的,侮辱的な言葉の暴力を受けていたのですが,

パワハラの慰謝料は50万円と判断されました。

 

 

言葉の暴力だけのパワハラの場合,

慰謝料が低額に判断されるハードルがあることがよく分かります。

 

 

2 一方的な賃金の減額は違法です

 

 

この事件では,パワハラ以外にも,賃金減額についても争われました。

 

 

被告会社が,原告の労働者の賃金を,一方的に減額したのです。

 

 

賃金は,労働者にとって,重要な労働条件の1つであり,

賃金を減額するためには,労働者の個別の同意か,

就業規則や賃金規定などの明確な根拠が必要であり,

会社が一方的に賃金を減額することはできません。

 

 

被告会社には,就業規則に賃金減額の規定がないため,

原告労働者に対する賃金減額は無効となり,差額賃金の請求と,

減額前の賃金の支払いを受ける労働契約上の地位確認が認められました。

 

 

賃金を会社の一存で減額できると考えている

経営者がいるかもしれませんが,

それは間違いであることを知ってもらいたいです。

 

 

3 賞与の不当な査定が違法になるとき

 

 

そして,この事件では,賞与の査定についても問題となりました。

 

 

賞与の査定においては,会社に一定の裁量が認められていますが,

会社は,その裁量権を濫用してはならず,

公正に賞与の査定をするべきです。

 

 

 

会社が正当な理由なく賞与の査定を怠ったり,

裁量権を濫用して労働者に不利な査定をした場合には,

労働者の期待権を侵害したとして,

損害賠償請求が認められることがあります。

 

 

本件事件では,被告会社が,原告労働者の賞与の算定にあたり,

公正な査定を行わず,恣意的に賞与を減額したとして,

20万円の損害賠償請求を認めました。

 

 

パワハラ,賃金の減額,賞与の不当な査定などの問題点について,

労働者が勝訴した事例として紹介しました。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

パワハラ6類型の個の侵害とは?

1 パワハラ・セクハラ対策セミナー

 

 

昨日,金沢弁護士会主催の

「待ったなし!パワハラ・セクハラ対策 経営者が今なすべきことは何か?」

というセミナーに参加してきました。

 

 

 

金沢弁護士会が主催するセミナーは,毎回,

広報がうまくいかなかったり,

会場に駐車場がないなどの理由からか,

あまり人が集まらないことが多いです。

 

 

しかし,今回のセミナーは,平日の午後の時間帯であるにもかかわらず,

多くの弁護士以外の方が参加してくれました。

 

(パワハラの講義を担当された粟田真人先生)

 

やはり,それだけ,ハラスメントの問題が

社会に広く認知されてきていると感じました。

 

(セクハラの講義を担当した当事務所の渡邊智美弁護士)

 

2 個の侵害とは?

 

 

さて,昨日のセミナーで,次のような質問がありました。

 

 

パワハラの6類型の1つに,個の侵害というものがあります。

 

 

労働者の私的なことに過度に立ち入ることをいい,

労働局のパンフレットには,具体例として,

不在時に,机の中を勝手に物色される,と挙げられています。

 

 

担当者が不在時に,机の中にある資料を探すことも,

個の侵害に当たるのかという質問でした。

 

 

 

確かに,労働局のパンフレットの記載では,

事前に労働者の許可なく,机の中を探すのは,

個の侵害に該当するような記載になっています。

 

 

しかし,実際には,担当者が不在時に,

他の労働者が業務で必要な資料を

担当者の机の中から探すことはよくありますし,

それは許容されるべきだと思います。

 

 

業務上の必要性があり,やむを得ず,不在時に,

机の中を探すことは,個の侵害にはあたらず,

何の理由もなしに,不在時に,勝手に机の中を物色することは,

個の侵害にあたると考えます。

 

 

このように,どのような場合に,パワハラに該当するのかは,

ケースバイケースで検討する必要があります。

 

 

3 豊前市事件の裁判例

 

 

ここで,個の侵害が問題になった豊前市事件の

福岡高裁平成25年7月30日判決(判例タイムズ1417号100頁)

を紹介します。

 

 

この事件では,自治体の職員である原告が,

若い女性職員と交際していたことについて,

上司が原告に対して,次のような発言をしました。

 

 

「入社して右も左も分からない若い子をつかまえて,だまして。

お前は一度失敗しているから悪く言われるんだ」

 

 

「お前が離婚したのは,元嫁の妹に手を出したからだろうが。

一度失敗したやつが幸せになれると思うな。

親子くらいの年の差があるのに常識を考えろ。

お前俺をなめているのか。

俺が野に下ったら,お前なんか仕事がまともにできると思うなよ」

 

 

また,この上司は,原告の交際相手の若い女性職員に対して,

次のような発言をしました。

 

 

「あいつ(原告)は,危険人物だぞ。

これまでもたくさんの女性を泣かせてきた。

豊前市のドン・ファンだ」

 

 

職場の上司が,ここまで露骨に,部下の職場恋愛に介入するのは,

明らかにいきすぎであり,この上司の言動は,

誹謗中傷,名誉毀損,私生活に対する不当な介入に該当するとして,

原告の人格権侵害を認めて,慰謝料30万円が認められました。

 

 

 

この事件では,交際相手の女性の日記に,

上司の言動が記載されており,

上司のパワハラの言動を立証することができました。

 

 

ここまで露骨な私生活への介入であれば,

個の侵害と容易に言えるのですが,それ以外のケースでは,

判断に迷うことも多いでしょうし,

そもそも証拠がなくて証明できないことも多いと思います。

 

 

やはり,パワハラ事件には,

①立証の難しさ,

②ケースバイケースで様々な事実を総合考慮して判断する難しさ,

③慰謝料が低額である,

という3つのハードルがあるのです。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

過労死事件の労災認定において移動時間は労働時間と認められるのか

1 社用車を運転して取引先をまわる営業マンの過労死事件

 

 

今年9月に開催された過労死弁護団の総会で,

川人博先生が痛烈に批判していた,

移動時間が労働時間といえるのかという問題について,

審査請求において,過労死の労災認定がされました。

 

 

https://mainichi.jp/articles/20191129/k00/00m/040/303000c

 

 

審査請求において,労働基準監督署の判断が覆るのは珍しいことであり,

川人博先生をはじめとする弁護団の先生方の

熱心な弁護活動が結実したのだと思います。

 

 

この事件は,外国製の大型クレーン車の販売営業をしていた

20代の男性労働者が,会社の営業車を運転して,横浜から,

山形県や三重県など12の県にある得意先をまわる労働をしていたところ,

出張先の三重県のビジネスホテルで突然心臓死で亡くなりました。

 

 

 

男性労働者のご遺族が,過労死であるとして,

労災申請しましたが,鶴見労働基準監督署は,

過労死ではないとして,労災とは認定しませんでした。

 

 

2 移動時間は労働時間といえるのか

 

 

鶴見労働基準監督署は,男性労働者が横浜の自宅から

静岡の取引先で商談した後,

三重県のビジネスホテルで宿泊した日について,

静岡の取引先での商談のみを労働時間として,

それ以外の移動時間を労働時間ではないとしました。

 

 

また,三重県での取引先から,自宅の横浜へ帰宅する

移動時間も労働時間ではないとしました。

 

 

移動時間が労働時間にカウントされない結果,

時間外労働が1ヶ月約40時間と認定されて,

過労死と認められなかったのです。

 

 

一般的には,自宅から勤務先への通勤は労働時間ではなく,

勤務先から取引先への移動,取引先から別の取引先への移動,

取引先から勤務先への移動は労働時間となります。

 

 

これとパラレルに考えると,自宅から取引先への直行と

取引先から自宅への直帰は,労働時間ではないことになります。

 

 

 

おそらく,鶴見労働基準監督署は,この考え方から,

自宅と取引先の移動時間を労働時間と認めなかったものと思います。

 

 

しかし,長時間車を運転しないといけない移動の場合,

直行直帰だからという理由だけで,

移動時間が労働時間にならないのは,

あまりにも画一的であり,

車の運転による疲労を度外視しており,不当です。

 

 

決定書を入手していないので詳細はわかりませんが,

マスコミ報道によりますと,神奈川労働者災害補償保険審査官は,

男性労働者の担当する営業範囲が広く,

車でないと不便な営業先が多いため,社用車以外の移動は困難であり,

会社も社用車での営業を指示していたとして,

直行直帰の移動時間を労働時間と認めたようです。

 

 

すなわち,社用車の移動が業務に必須であり,

会社の指示も認められるので,直行直帰の移動時間も,

会社の指揮命令下に置かれていたとして,

労働時間と判断されたようです。

 

 

直行直帰の移動時間を労働時間と判断した点において画期的です。

 

 

3 時間外労働以外の業務の過重性を総合判断

 

 

もっとも,移動時間が労働時間として認められましたが,

労働者災害補償保険審査官の認定した時間外労働の時間は,

71時間で,1ヶ月80~100の過労死ラインには

とどいていませんでした。

 

 

時間外労働が1ヶ月80~100時間の

過労死ラインにとどいていなかったとしても,

その他の業務の過重性が認められれば,

総合判断で過労死の労災認定がされる可能性があります。

 

 

本件では,時間外労働以外の業務の過重性として,

出張回数の多さ,運転走行距離の長さ,

海外出張の時差などが考慮されました。

 

 

自分で車を運転して出張する回数が多いと,

疲労が蓄積しますので,時間外労働と出張の疲労の蓄積によって,

突然心臓死したと判断するのは妥当です。

 

 

 

このように,時間外労働が1ヶ月80~100時間に

とどいていなくても,他の業務の過重性を考慮することで,

過労死の労災認定がされる余地があるのです。

 

 

過労死の労災の審査請求において,

労働者に有利な画期的な判断がされましたので,紹介しました。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

居酒屋で発生したパワハラについて会社に損害賠償請求できるのか

1 パワハラ防止の指針案の問題点

 

 

先日のブログで,パワハラ防止の指針案について,解説し,

優越的な関係を背景とした言動の解釈として,

抵抗または拒絶することができない蓋然性が高い関係を背景とした言動

とすることは,パワハラの範囲を不当に狭めることになる

という問題点を指摘しました。

 

 

 https://www.kanazawagoudoulaw.com/tokuda_blog/201911298782.html

 

 

このパワハラ防止の指針案には,

もう一つ重要な問題点があります。

 

 

それは,パワハラ防止の指針案が,

規制の対象を「職場における」パワハラに限定していることです。

 

 

 

パワハラ防止の指針案において,「職場」とは,

「事業主が雇用する労働者が業務を遂行する場所を指し,

当該労働者が通常就業している場所以外の場所であっても,

当該労働者が業務を遂行する場所については,職場に含まれる」

と定義されています。

 

 

この定義では,労働者が本来的に働いている場所と,

営業先や出張先は職場に含まれますが,

居酒屋における会社の飲み会の席でのパワハラが,

職場ではないパワハラなので,

規制の対象からはずれてしまうおそれがあります。

 

 

 

2 居酒屋などで行われたパワハラの損害賠償請求を認めた裁判例

 

 

ここで,会社の外の居酒屋などで行われたパワハラについて判断した

コンビニエースほか事件の東京地裁平成28年12月20日判決

(労働判例1156号28頁)を紹介します。

 

 

この事件では,コンビニを複数店舗経営する経営者と,

コンビニの店長が,被害者の労働者に対して,

次のような,悪質なパワハラをしました。

 

 

①居酒屋で会社の飲み会があったときに,

被害者の鼻の頭にタバコの火を押し付けた。

 

 

②会社のメンバーでカラオケ店にいったときに,

被害者は,カラオケのマイクで10~20回殴られた。

 

 

③居酒屋で会社の飲み会があったときに,

被害者は,焼き鳥の串で手の甲を刺され,灰皿で頭を殴られた。

 

 

④コンビニの店舗の中でエアガンで撃たれる。

 

 

⑤会社の飲み会の代金をむりやり支払わされて,

その総額が200万円以上となった。

 

 

⑥売れ残り商品をむりやり買わされる。

 

 

上記の④と⑥は,会社の中で行われたパワハラなので,

パワハラ防止の指針案の対象となるですが,

①~③と⑤は,会社の外の居酒屋やカラオケ店で行われたパワハラなので,

パワハラ防止の指針案の対象からはずれてしまいます。

 

 

しかし,会社の外で行われたパワハラであっても,

会社やパワハラ行為者に対する損害賠償請求が認められました。

 

 

 

3 使用者責任

 

 

この事件では,会社に対する損害賠償請求は,

民法715条の使用者責任が根拠となりました。

 

 

使用者責任とは,会社が雇っている労働者が,

会社の仕事をしていたときに,他人に損害を与えた場合に,

会社も損害賠償の責任を負うというものです。

 

 

この点,居酒屋における飲み会での出来事が,

会社の仕事と関連があるのかが問題となります。

 

 

裁判所は,「職務との関連性や使用者による支配・統制の可能性の程度等

から判断して,当該不法行為が客観的に使用者の支配領域内の事柄である

と認められる場合」には,使用者責任を認めると判断しました。

 

 

ようするに,居酒屋における飲み会であっても,

飲食しながら,注意や指導が行われて,

その延長線上に暴力や暴言があれば,

会社の支配領域内の出来事として,会社は,

居酒屋で生じたパワハラの責任を負わなければならなくなるのです。

 

 

裁判では,居酒屋におけるパワハラも

損害賠償請求の対象とする場合があることを認めていることから,

パワハラ防止の指針案でも,職場以外の場所におけるパワハラも

規制対象に含めるべきです。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。