新型コロナウイルスに感染してしまって仕事を休むときには労災保険の休業補償給付か健康保険の傷病手当金の受給を検討する

1 万が一新型コロナウイルスに感染してしまい仕事を休まないといけなくなったら

 

 

連日,新型コロナウイルスの感染拡大のニュースが報道されています。

 

 

 

本日は,新型コロナウイルスに感染してしまって,

会社を休むことになったときの補償について解説します。

 

 

2 仕事をしていて新型コロナウイルスに感染したなら労災保険の申請を検討する

 

 

まず,仕事をしていて新型コロナウイルスに感染してしまった場合に,

どのような補償がされるのかを解説します。

 

 

具体的には,新型コロナウイルスに感染した患者の処置を担当した

医師や看護師が新型コロナウイルスに感染したケースが考えられます。

 

 

また,私の地元石川県では,小松マテーレ株式会社の労働者3名が,

パリに出張していた際に新型コロナウイルスに感染したようです。

 

 

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200302/k10012310211000.html

 

 

このように,仕事をしていて新型コロナウイルスに感染した場合,

症状が軽かったとしても,接触した人に感染させてしまう

リスクがあるので,仕事を休まなくてはなりません。

 

 

そこで,仕事をしていて新型コロナウイルスに感染して,

仕事を休むことになったときには,

労災保険の休業補償給付の申請をすることを検討します。

 

 

労災と認定されれば,コロナウイルスで治療を受けている労働者で

休業していれば,休業4日目から,おおむね,

給料の8割分が労災保険から支給されますし,

治療費も労災保険から支給されます。

 

 

ただ,仕事をしていて新型コロナウイルスに感染したという

因果関係を証明できるのかという問題はあります。

 

 

3 プライベートな活動をして新型コロナウイルスに感染したなら健康保険の傷病手当金の申請を検討する

 

 

次に,仕事とは関係なく,プライベートな活動をしていて

新型コロナウイルスに感染してしまった場合に

どのような補償がされるのかを解説します。

 

 

 

大阪のライブに参加した人が新型コロナウイルスに感染したようです。

 

 

https://mainichi.jp/articles/20200303/k00/00m/040/318000c

 

 

ライブのように仕事とは無関係のプライベートな活動をして,

新型コロナウイルスに感染してしまい,

治療のために,仕事を休むことになったときには,

健康保険の傷病手当金の受給を受けられないかを検討します。

 

 

傷病手当金とは,仕事以外の傷病で欠勤し,

給料が支給されない場合に,安心して療養に専念できるように,

健康保険の保険者から賃金の一部に相当する現金が給付される制度です。

 

 

仕事以外の傷病による療養のため仕事ができず,

欠勤が3日連続であり,給料の支給がない場合に,

欠勤4日目から傷病手当金が支給されます。

 

 

傷病手当金の支給金額は,

直近12ヶ月平均の標準報酬日額の3分の2の金額が支給されます。

 

 

傷病手当金の申請をするためには,

協会けんぽに傷病手当金の申請書を提出します。

 

 

こちらのサイトから傷病手当金の申請書をダウンロードできます。

https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat310/sb3040/r139/

 

 

なお,仕事とは無関係のプライベートな活動をして,

新型コロナウイルスに感染した場合,治療費は自己負担になります。

 

 

4 年次有給休暇を利用するのが最も簡便

 

 

さて,新型コロナウイルスに感染して,

仕事を休むことになったときには,

労災保険の休業補償給付や健康保険の傷病手当金の受給を検討しますが,

いずれも,医師の診断が必要になり,

認定されるまでに時間がかかります。

 

 

そう考えると,新型コロナウイルスに感染して仕事を休むときには,

年次有給休暇を利用するのが,労働者にとって最も簡便だと考えます。

 

 

年次有給休暇であれば,会社に年次有給休暇の申請をするだけで

手続は簡単であり,仕事を休んだ期間の給料が全額支給されるからです。

 

 

潜伏期間が2週間であれば,土日を除く平日10日間を

年次有給休暇を利用して休めば,10日間の給料が補償されて,

安心して休めます(年次有給休暇が10日残っていればの話しですが)。

 

 

新型コロナウイルス関連で仕事を休まざるをえないとき,

年次有給休暇が残っているのであれば,

年次有給休暇を取得してみてください。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。