ヤマト運輸の違法残業

 福岡労働局は,ヤマト運輸がセールスドライバーに違法な長時間労働をさせたとして,労働基準法違反の疑いで福岡地検に書類送検しました。

 

https://mainichi.jp/articles/20170921/k00/00m/040/100000c

 

 ヤマト運輸は,労使協定で定めた1ヶ月あたりの残業時間の上限95時間を超える102時間の違法な残業をさせた疑いがあるようです。36協定では,残業時間の上限が規制されていないので,残業時間の上限は青天井になっています。ヤマト運輸の残業時間の上限95時間は,精神疾患の労災基準の100時間よりは短いですが,脳心臓疾患の労災基準の80時間よりは長いため,このような36協定は是正されるべきだと考えます。やはり,残業時間の上限規制が早急に導入されるべきです。

 

 さらに,脳心臓疾患の労災基準よりも長い残業時間の上限95時間に違反しているのですから,36協定が機能していないのが現状なのかもしれません。労使が残業時間について,しっかりと議論して36協定を定めるのであれば,労働者も残業時間について意識して,会社に是正を求めていけるのではないかと思います。労働者は,しっかりと自分の会社の36協定をチェックすべきです。

 

 日々,労働紛争に身を置いている者として感じるのは,しっかりと残業時間を把握して,残業代を支払っている企業は少なく,特に運送関係の現場では,長時間労働が常態化しているにもかかわらず,残業代の支払が不十分なことです。労働局のチェックが厳しくなれば,企業も残業代を支払うようになり,長時間労働が是正されていくと思いますので,労働局の担当職員を増加させて,労働基準法違反の取締を強化していってもらいたいです。

 

 電通事件では,公開の法廷で刑事裁判が行われるようになり,労働基準法違反の事件が注目されています。大企業の労働基準法違反は,大々的に報道され,企業イメージにマイナスになりますので,この流れの中で労働基準法を遵守する企業が増えることが期待されます。

 

 労働問題の法律相談は,労働問題を専門に扱う弁護士法人金沢合同法律事務所へ,お気軽にお問い合わせください。

http://www.kanazawagoudoulaw.com/

http://www.kanazawagoudoulaw.com/roudou_lp/

 

 

残業証拠レコーダー

 労働時間を記録する「残業証拠レコーダー」というアプリを紹介します。通称残レコといいます。

 

https://zanreko.com/

 

 このアプリは,スマートフォンのGPS機能を利用して,労働時間を記録するものです。職場によっては,タイムカードがないところもありますが,そのような職場であっても,残業証拠レコーダーを利用して,労働時間を記録すれば,会社との残業代請求の交渉や裁判で証拠として利用でき,残業代の支払いを受けられるかもしれません。残業代請求以外にも過労死や精神疾患の労災でも,残業証拠レコーダーを有効活用できそうです。

 

 

 また,記録された労働時間から残業代を計算する機能もついています。残業代の計算は複雑なので,労働者が自分で計算しようとしても途中で挫折することが多いのですが,簡易に計算してくれるのであれば,非常に便利です。

 

 毎日の労働時間を記録しておけば,いざというときの証拠として使えますし,自分の働き方を見直すきっかけになると思います。残業代を請求するか否かにかかわらず,労働者が自分の労働時間を記録しておくことは,将来何かで役立つことがあるかもしれないので,残業証拠レコーダーを利用してみてはいかがでしょうか。