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ロイヤルリムジングループ整理解雇の仮処分手続で和解成立

1 ロイヤルリムジングループ整理解雇事件

 

 

タクシー事業を営むロイヤルリムジングループが,

新型コロナウイルス感染拡大による業績悪化で大半の事業を休止して,

約600人もの運転手を解雇したため,

タクシー運転手が労働者としての地位確認を求める

仮処分の申立てをした事件で,和解が成立したようです。

 

 

https://mainichi.jp/articles/20200608/k00/00m/040/247000c

 

 

和解において,雇用継続が確認され,

休業手当の支払いや事業再開時の職務復帰が認められたようです。

 

 

ロイヤルリムジングループでは,

一部のタクシー会社ではまだ休業が続いているようですが,

休業手当が支払われることとなり,

事業が再開したときに職場復帰できるのは画期的です。

 

 

 

本日は,この和解について検討します。

 

 

2 整理解雇

 

 

新型コロナウイルス感染拡大の影響で業績が悪化したことを

理由とする解雇を整理解雇といいます。

 

 

整理解雇では,

①人員削減の必要性,

②解雇回避努力義務,

③人選の合理性,

④労働者への説明などの手続の相当性,

という4つの要件(要素)を総合考慮して,

整理解雇が有効か無効かが判断されます。

 

 

ロイヤルリムジングループの事件では,

新型コロナウイルスの感染拡大によって,

人の移動が制限され,タクシーに乗る人が激減したので,

ロイヤルリムジングループには,

①人員削減の必要性は一定程度あったと考えられます。

 

 

しかし,雇用調整助成金を活用することなく,いきなり,

約600人ものタクシー運転手を解雇したので,

②解雇回避努力義務を尽くしておらず,

④労働者に対して,適切な説明を尽くしていなかったと考えられます。

 

 

そのため,ロイヤルリムジングループの整理解雇は

無効と判断される可能性は十分にありました。

 

 

3 仮処分

 

 

また,この事件は,緊急事態宣言の状況下で進行していたので,

裁判所に早急に審理してもらうために,

仮処分という裁判手続がとられました。

 

 

仮処分では,保全の必要性という要件を満たす必要があります。

 

 

労働事件における保全の必要性とは,

通常の裁判で解雇を争っていたのでは,時間がかかり,

労働者が困窮して生活が危機に瀕する状況になることをいいます。

 

 

労働者が解雇されても,

いくらか貯蓄が残っていたり,

配偶者が働いているので,

当面の生活はなんとかやりくりできるのであれば,

保全の必要性はないとして,

仮処分は認められないことが多いです。

 

 

そのため,労働事件ではあまり,

仮処分を利用することが少ないです。

 

 

もっとも,ロイヤルリムジングループ事件では,

解雇されたのがタクシー運転手で,高齢な方ですと,

新型コロナウイルスの影響で次の就職先を見つけるのが

非常に困難ですので,保全の必要性が認められる余地がありました。

 

 

以上のことから,ロイヤルリムジングループ事件では,

裁判官が,解雇は無効で,保全の必要性もあることから,

仮処分決定を出せる心証を抱いたので,

労働者に有利な和解案を提示して,

和解がまとまったのだと予想されます。

 

 

4 和解

 

 

裁判手続では,最終的に白黒はっきりつける判決や決定に至る前に,

和解で事件が解決することの方が多いです。

 

 

 

判決や決定が出ても,相手方が控訴などをすると,裁判は続き,

解決に時間がかかるのですが,和解であれば,

控訴などはなく,その時点で事件は終結します。

 

 

また,判決や決定では,相手方が任意に支払いに応じない場合には,

相手方の財産を差し押さえるなどの強制執行手続

という別の裁判手続をしなければなりませんが,

和解であれば,相手方も納得しているので,

任意の支払いに応じることが多いです。

 

 

このように,和解には,トラブルを解決するための

時間を短縮できること,支払いの確実性があがることの

メリットがあるので,和解ができるのであれば,

和解で事件を解決することが多いのです。

 

 

労働事件では,一度裁判で争った経緯があるので,

解雇された労働者が職場に復帰するのはなかなか難しいのですが,

ロイヤルリムジングループでは,

多くの労働者が裁判に立ち上がったので,

会社側も,大勢の声を無視することはできず,

職場復帰に応じざるをえなかったのかもしれません。

 

 

会社から酷い仕打ちを受けたときには,

労働者が団結して,会社に対して,

しっかりと物申すことが重要ですね。

 

 

多くの労働者の職場復帰が認められるのは珍しいので,

画期的な和解だと思います。

 

 

今後の解雇事件で活用できる解決の方法だと考えられます。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

加賀温泉郷の旅館やホテルの解雇から整理解雇の人員削減の必要性を検討する

1 加賀温泉郷の旅館やホテルで解雇が多発しています

 

 

石川県の加賀温泉郷の旅館やホテルにおける解雇が増えてきています。

 

 

小松市の粟津温泉の老舗旅館の辻のや花乃庄は,

全従業員約50人を6月末で解雇するようです。

 

 

https://www3.nhk.or.jp/lnews/kanazawa/20200603/3020005059.html

 

 

また,加賀市片山津温泉のホテル北陸古賀乃井と,

山代温泉のホテル大のやにおいても,

両旅館の全従業員約70人が,

施設の老朽化により改修を検討する必要があり,

長期休館することから,解雇通告を受けたようです。

 

 

https://www.chunichi.co.jp/article/68748

 

 

新型コロナウイルス感染拡大の影響で,

休館を余儀なくされている旅館やホテルが多く,

宿泊業における解雇や雇止めが業種別の中で最も多いようです。

 

 

 

2 整理解雇

 

 

このような経営悪化を理由とする解雇を整理解雇といいます。

 

 

整理解雇は,経営側の事情で解雇をするのであり,

労働者には落ち度がないため,厳格に判断されます。

 

 

具体的には,①人員削減の必要性,

②解雇回避努力義務,

③人選の合理性,

④手続の相当性(労働者に対して説明を尽くしたか),

という整理解雇の4要件(要素)を総合考慮して,

整理解雇が無効となるかが判断されます。

 

 

本日は,このうちの①人員削減の必要性について解説します。

 

3 人員削減の必要性

 

 

①人員削減の必要性については,

⑴企業が倒産の危機にある場合,

⑵企業が客観的に高度の経営危機下にある場合,

⑶企業の合理的運営上やむを得ない必要性がある場合,

⑷経営方針の変更等により余剰人員が生じた場合,

など様々な程度があります。

 

 

このように,どの程度の人員削減の必要性があればいいのかについては,

会社の経営判断にかかることですので,なかなか判断が難しいです。

 

 

そこで,人員削減の要否という経営判断の前提となる

事実認識の過程において,どの程度の情報を収集し,

どのような視点からその分析・検討をしたか,及び,

その事実認識に基づき,人員削減の必要性があるとの

経営判断に至った意思決定の推論過程及び内容に,

どの程度の合理性を認めることができるか

という判断基準を設定して検討します。

 

 

すなわち,会社がどういった情報を集めて,

どのような事実を認識し,その認識した事実に基づいて

人員削減が必要との判断に至ったのか,

その具体的プロセスの内容を会社に主張させて,

証明させることがポイントになります。

 

 

 

人員削減の必要性の判断材料になる事情には,

収支や借入金の状態,

取引先との取引量の動向,

資産状況,

人件費や役員報酬の動向,

社員の採用動向,

業務量,

株式配当

などがあげられます。

 

 

例えば,希望退職や退職勧奨が行われて,

既に自己都合退職した労働者がいる場合,

人員削減がある程度達成されていれば,

会社がさらに人員削減をする必要があったのかという

判断のプロセスが厳格に判断されることになります。

 

 

あくまで,人員削減の対象は,その必要性に見合った

適正な範囲であることが要請されますので,

その範囲を超える人員削減は許されないのです。

 

 

新型コロナウイルスの感染拡大の影響による整理解雇の場合でも,

上記の観点から,人員削減の必要性は検討されるべきです。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

生出演したテレビでは語り尽くせなかった解雇された場合の対処法

1 NHK金沢放送局のテレビ番組に生出演させていただきました

 

 

5月29日19時30分に放送された,

NHK金沢放送局のいしかわ令和プレミアム

「取り戻せぬ日常~緊急事態宣言解除の裏で~」

という番組に生出演させていただきました。

 

https://www4.nhk.or.jp/P5762/x/2020-05-29/21/50527/8332066/?fbclid=IwAR1UGZqmryLialIIfTTnR_i-cbKHcy4hVIOlQGzcij6orKOTh4JE4q3NTQk

 

 

テレビ番組に生出演する機会はなかなかないため,とても緊張しました。

 

 

 

テレビ番組を作成している方々の大変さがわかり,勉強になりました。

 

 

この番組では,新型コロナウイルスの感染拡大で

雇用が危機的な状況にあることから,

労働者が解雇や雇止めをされた場合に,

どのように対処すべきかについて,

コメントさせていただきました。

 

 

私の出番は,番組の最後で,かつ,生出演なので,

編集がきかないため,詳しく説明することなく,

端的にコメントをしました。

 

 

そこで,本日は,テレビでは説明しきれなかった

解雇されたときの対処法について説明します。

 

 

2 解雇か退職勧奨なのかを確認する

 

 

まずは,本当に会社から解雇されたのかを確認しましょう。

 

 

会社から,文書で解雇を通告されていれば,問題ありませんが,

社長から「辞めてくれないか」と口頭で言われたことを

解雇と早合点してしまう労働者がいらっしゃいます。

 

 

「辞めてくれないか」というのは,退職勧奨という,

会社からのお願いでしかありません。

 

 

そのため,労働者が会社を辞めたくないのであれば,

退職勧奨に応じる必要はなく,きっぱりと断ればいいのです。

 

 

退職勧奨をされただけなのに,解雇されたと早合点して,

会社にいかなくなると,無断欠勤を理由に解雇されるおそれがあります。

 

 

会社に対して,退職勧奨なのか,

解雇なのかを文書で明確にさせるといいでしょう。

 

 

3 解雇理由証明書の交付を求める

 

 

次に,解雇の理由を文書で明らかにさせましょう。

 

 

 

解雇の事件では,会社が主張する解雇理由について,

そのような解雇理由が本当にあったのかや,

そのような解雇理由で解雇することが相当なのか

を争っていくことになります。

 

 

そのため,攻撃対象である,

会社が主張する解雇理由を特定する必要があるのです。

 

 

労働基準法22条により,会社は,

労働者から解雇理由証明書の交付を求められた場合,

遅滞なく,これを交付しなければならないのです。

 

 

解雇理由証明書に記載されている解雇理由に

なっとくできない場合には,弁護士に相談して,

解雇を争うかを検討していくことになります。

 

 

会社から交付された解雇理由証明書に記載されている

解雇理由が抽象的な場合には,具体的にはどのようなことなのかを

文書で明らかにするように求めていきます。

 

 

4 就労の意思を表示する

 

 

弁護士に相談して解雇を争うと決めた場合には,会社に対して,

解雇が無効であることと就労の意思があることを,文書で通告します。

 

 

解雇を争う裁判では,解雇が無効なので,

労働者としての地位があることの確認と,

解雇期間中の未払賃金の請求をするのですが,

それらの請求をするには,労働者に就労の意思があることが

必要だからなのです。

 

 

解雇された会社に復職するつもりはなく,

会社に一矢報いるために金銭的な請求だけをしたい場合であっても,

解雇した会社に対して,就労させるように

求めていくことが重要になります。

 

 

5 解雇予告手当と退職金は請求しない

 

 

突然解雇された場合には,会社に対して,

30日分以上の平均賃金である解雇予告手当を請求できます。

 

 

しかし,解雇を争う場合には,会社に対して,

解雇予告手当を請求してはいけません。

 

 

解雇予告手当を請求すると,退職を前提としているとして,

就労の意思が否定されるリスクがあるからです。

 

 

これと同じように,退職金を請求することも,

退職を前提としているとして,

就労の意思が否定されるリスクがあります。

 

 

そのため,解雇を争う場合には,

解雇予告手当と退職金を請求しないようにしましょう。

 

 

6 失業給付を受給する

 

 

解雇をされると収入を失うことになるので,

当面の生活費を確保するために,

ハローワークに離職票を提出して,

失業給付を受給します。

 

 

 

会社に対して,離職票を請求しても,

解雇を争うこととは矛盾しませんので,

失業給付を受給するために,会社に対して

離職票の交付を求めましょう。

 

 

7 別の会社に就職しても問題はない

 

 

失業給付は,受給期間が限られていますので,

解雇を裁判で争っている期間中,

ずっと無職でいるわけにはいきません。

 

 

そこで,生活費を確保するために,

別の会社に就職しても大丈夫です。

 

 

会社を解雇されて,なっとくできないときには,

弁護士に相談することをおすすめします。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

雇用調整助成金のさらなる拡充と整理解雇における解雇回避努力

1 雇用調整助成金のさらなる拡充

 

 

4月25日,加藤厚生労働大臣は,全国の中小企業のうち,

緊急事態宣言後に都道府県知事からの休業要請に応じた企業が,

前年の賃金の100%の水準の休業手当を支払う場合に,

国が休業手当の全額を補助することを明らかにしました。

 

 

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200426/k10012405961000.html

 

 

また,都道府県知事からの休業要請の対象ではない中小企業が,

平均賃金の60%以上の休業手当を支払った場合,

国が60%を超える分について,

全額を補助することになるようです。

 

 

緊急事態宣言後に都道府県知事からの休業要請に応じた会社が,

労働者に対して,休業手当を支払わないリスクを最小限にするために,

国が会社と労働者を守るために,

雇用調整助成金の金額を拡充したようです。

 

 

https://www.mhlw.go.jp/content/11603000/000625165.pdf

 

 

雇用調整助成金とは,経済上の理由により

事業活動の縮小を余儀なくされた会社が,

労働者に対して,一時的に休業などを行い,

労働者の雇用の維持を図った場合に,

休業手当などの一部を助成するものです。

 

 

コロナ禍の現状においては,会社は,

労働者の雇用を維持するために,会社を休業する場合には,

雇用調整助成金を活用して,労働者に対して,

なるべく多くの休業手当を支払うように努力する必要があります。

 

 

 

2 ロイヤルリムジングループ事件

 

 

他方,この雇用調整助成金を活用せずに,

整理解雇が実施された事件が注目されています。

 

 

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で業績が悪化したとして,

タクシー運転手約600人が解雇された

ロイヤルリムジングループ事件です。

 

 

ロイヤルリムジングループの代表者は,

労働組合との団体交渉において,

雇用調整助成金を申請しなかったことを認めたようです。

 

 

https://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2020042001002469.html

 

3 整理解雇における解雇回避努力とは

 

 

コロナ禍における整理解雇では,

雇用調整助成金を活用したかがポイントになると考えます。

 

 

整理解雇は,労働者には落ち度がなく,

会社側の事情による解雇になりますので,

次の4つの要件(要素)を満たす必要があります。

 

 

①人員削減の必要性

 

 

 ②解雇回避努力を尽くすこと

 

 

 ③人選の合理性

 

 

 ④手続の相当性

 

 

従前,②解雇回避努力として挙げられていたのは,

広告費・交通費・交際費等の経費削減,

役員報酬の削減,

残業規制,

従業員に対する昇給停止や賞与の減額・不支給,

ワークシェアリングのによる労働時間の短縮や一時帰休,

中途採用・再雇用の停止,

新規採用の停止・縮小,

配転・出向・転籍の実施,

非正規雇用労働者との間の労働契約の解消,

希望退職の募集などです。

 

 

 

とくに希望退職の募集が解雇回避努力として重視されていました。

 

 

コロナ禍の現状においては,上記のように,国は,

労働者の雇用を維持するために,雇用調整助成金を拡充しています。

 

 

雇用調整助成金については,準備が大変,

時間がかかるなどの不満はありますが,

解雇は最後の手段であることには変わりなく,

会社は,整理解雇の前に,解雇回避努力として,

雇用調整助成金の活用を検討しなければなりません。

 

 

雇用調整助成金を活用しないでした整理解雇は,現状においては,

解雇回避努力を尽くしていないとして無効になる可能性が高いです。

 

 

そのため,労働者は,会社が雇用調整助成金を活用しているかを,

よくチェックするようにしてください。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

整理解雇における手続の相当性

1 嬉しいニュース

 

 

私のブログ仲間で,お墓クリーニングの専門家である高見義裕さんが,

私のブログを紹介してくれました。

 

 

https://ameblo.jp/yoshihirotakami/entry-12591724622.html?fbclid=IwAR0HDfkCpVkq588S-8GCd1YZ_0gTBZAIfYWuFmR-uA9C11pEWNyU3wqeQpg

 

 

ブログ仲間からの紹介は,本当に嬉しいです。

 

 

私の情報発信が,新型コロナウイルスの影響で困っている

労働者の方々のお役に立てているとわかり,勇気をもらいました。

 

 

今後とも,有益な情報を発信していきますので,

読者の皆様,今後とも,よろしくお願い致します。

 

 

2 ロイヤルリムジングループの整理解雇事件

 

 

さて,新型コロナウイルスの影響による業績悪化を理由に

タクシー運転手約600人が解雇されたロイヤルリムジングループ事件で,

労働組合の組合員81人が,東京地裁に

地位確認の仮処分の申立てをしました。

 

 

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58382630T20C20A4CE0000/

 

 

組合員は,会社が雇用調整助成金を利用するなどして

解雇を回避する努力をしなかったこと,

労働組合や労働者に対して説明を尽くしていないことを理由に,

整理解雇は無効であると主張しているようです。

 

 

整理解雇とは,会社の業績悪化を理由とする解雇のことで,

いわゆるリストラです。

 

 

 

まず,解雇は,労働者やその収入に依存して生活を維持している

家族らの生活の基盤を剥奪するものなので,

よほどのことがない限り,認められません。

 

 

そして,不況のときにおける整理解雇は,

労働者側に何らの責められる理由がないのに,

会社側の理由により一方的に行われるものであり,

不況であればあるほど再就職が困難となり,

再就職しても以前の会社よりも賃金が低くなる場合があります。

 

 

そのため,整理解雇の場合,会社は次の4つの要件(要素)

を満たさないと整理解雇は無効になります。

 

 

①人員削減の必要性があること

 

 

 ②解雇回避努力義務が尽くされたこと

 

 

 ③人選基準とその適用が合理的であること

 

 

 ④労働組合や労働者に対して説明・協議を尽くしたこと(手続の相当性)

 

 

本日は,このうちの④手続の相当性について,解説します。

 

 

3 手続の相当性

 

 

会社は,整理解雇に先立ち,労働組合や労働者に対して,

整理解雇の必要性とその内容(時期・規模・方法),

人選基準などについて,十分な説明を行い,

誠意をもって協議しなければならないのです。

 

 

会社が経営状況などの説明をする際に,単に,

「○億円の赤字だから解雇せざるを得ない」などと

概括的な数字を掲げるだけでは,

説明義務を尽くしたことにはなりません。

 

 

 

会社がより多くの情報を労働者に対して提供し,

より多くの点について協議するほど,

整理解雇の手続が相当であったと評価され,逆に,

会社から事前に開示された情報が少なく,

ほとんど協議する事項がなかったような場合には,

整理解雇の手続が不相当であったと評価されます。

 

 

具体的なケースで見てみましょう。

 

 

北斗音響事件の盛岡地裁昭和54年10月25日判決

(労働判例333号55頁)は,

整理解雇における手続の相当性について,

次のように判断しました。

 

 

会社は,工場閉鎖の理由や解雇の必要性などについて,

会社の決算報告書などの資料を開示して

十分な説明をすべきだったのに,

単に不況を乗り切るためのやむを得ない措置であるとか,

工場閉鎖と解雇は既定の方針であるなどの

抽象的な説明に終始していたとして,

説明義務を尽くしておらず,整理解雇は無効となりました。

 

 

そのため,新型コロナウイルスの影響で会社の業績が悪化したとして,

会社から整理解雇された場合には,会社に対して,

なぜ解雇なのか,他に手段を尽くしたのかについて,

説明を求めるべきです。

 

 

これに対して,会社があいまいな説明しかできず,

労働者が納得できないならば,整理解雇が無効であるとして,

会社に対して,地位確認と未払賃金の請求をすることをおすすめします。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

コロナ解雇を争うために東京地裁で仮処分の申立てがされました

1 ロイヤルリムジングループ事件の仮処分の申立て

 

 

東京のタクシー会社であるロイヤルリムジングループが,

新型コロナウイルスの感染拡大による売上減少を受けて,

タクシー運転手が約600人解雇された事件で,

70代のタクシー運転手が,東京地裁に仮の地位を定める仮処分と

賃金仮払いの仮処分の申立てをしたようです。

 

 

 https://mainichi.jp/articles/20200416/ddm/041/020/064000c

 

 

新型コロナウイルス関係の労働問題が裁判手続に移行するのは

初めてのようで,注目が集まっています。

 

 

 

私と司法修習で同期だった,東京合同法律事務所の

弁護士馬奈木厳太郎先生が代理人をされているので

がんばってもらいたいです。

 

 

さて,本日は仮処分という裁判手続について解説します。

 

 

2 仮処分とは

 

 

通常の裁判手続(通常訴訟または本訴といいます)ですと,

判決がでるまでに最低1年くらいはかかります。

 

 

解雇された労働者は,給料という生活の糧を失ったわけですから,

生活に困窮することになりますので,

1年もの長期間待っていられないわけです。

 

 

なんとか早く事件を解決したい。

 

 

そのようなときに利用するのが仮処分という裁判手続です。

 

 

仮処分の最大のメリットは,手続が早いことです。

 

 

通常訴訟ですと,提訴してから第1回の裁判が始まるまでに

1ヶ月ほどかかりますが,仮処分ですと,

申立てをしてから2週間後くらいに第1回の裁判が始まります。

 

 

仮処分では,2~3週間程度の期間をおいて,

裁判の期日(審尋期日といいます)が繰り返されて,

3~6ヶ月程度で結論(仮処分決定)が出されます。

 

 

そんなに早く進む裁判手続であれば,

どんどん利用すればいいじゃないかと思うかもしれませんが,

仮処分には大きなデメリットがあります。

 

3 保全の必要性

 

 

それは,保全の必要性というものです。

 

 

仮処分では,通常訴訟と同じように,解雇が無効であるとして,

労働者としての地位があることを明らかにすることは共通なのですが,

これに加えて,保全の必要性があることを明らかにしなければなりません。

 

 

保全の必要性とは,労働者に生ずる著しい損害または

急迫の危険を避けるために仮処分が必要であることを言います

(民事保全法23条2項)。

 

 

具体的には,解雇されて会社からの賃金の支払が途絶えるために,

労働者の生計が成り立たなくなる,ということです。

 

 

そのため,仮処分の手続では,労働者が毎月の生活を維持するのに

どの程度の支出があるのか,貯蓄はどれくらいあるのかを,

資料に基づいて明らかにしなければならないのです。

 

 

解雇された労働者に配偶者がいて,

配偶者の収入で生活が維持できたり,貯蓄が十分にあれば,

保全の必要性が否定されることがあります。

 

 

裁判所は,保全の必要性を厳格に判断する傾向にあり,

賃金仮払いは認められても,仮の地位を定める仮処分が

認められることはあまりないようです。

 

 

また,賃金仮払いが認められても,その金額は,

解雇前にもらっていた給料全額ではなく,減額されることもあり,

支払が認められる期間も通常訴訟の一審判決が

言い渡されるまでと制限されます。

 

 

このように,保全の必要性のハードルが高いので,

私は,あまり,仮処分の手続を利用することは少ないです。

 

 

若い労働者ですと,解雇されても次の仕事を見つけて,

当面の生活を維持できるので,

そこまで逼迫した案件が少ないからかもしれません。

 

 

もっとも,ロイヤルリムジングループ事件の場合,申立人は,

70代なので,解雇されると,次の仕事を見つけるのが大変です。

 

 

年金収入だけでは,生活を維持していくのは厳しいかもしれません。

 

 

そして,今は,新型コロナウイルスの感染拡大が続いていて,

どこも人手を減らしているので,仕事を見つけるのが困難ですし,

そもそも,裁判所も裁判の期日を早急に入れてくれません。

 

 

 

そこで,保全の必要性が認められる見込みがあり,

早急に裁判をすすめていく必要があることから,

ロイヤルリムジングループ事件では,

仮処分を選択するのが合理的です。

 

 

この仮処分手続で,労働者が勝訴することを祈念しています。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

ロイヤルリムジングループの解雇手続から解雇の対処法を検討します

1 約600人のタクシー運転手に対する解雇

 

 

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う業績悪化を理由に,

ロイヤルリムジン東京というタクシー会社が,

タクシー運転手約600人に解雇通告をしたようです。

 

 

https://www.asahi.com/articles/ASN4C722JN4CULFA00F.html

 

 

報道によりますと,解雇通告の際に,

その場で退職に合意するとの内容が書かれた文書が配られ,

サインをしないと失業給付の申請に必要な離職票を出さないと言われ,

解雇予告手当も支払われなかったようです。

 

 

今後,新型コロナウイルスの感染拡大を受けて,

解雇が増加することが予想され,上記のように

解雇なのに自己都合退職にしようとする会社もでてきそうです。

 

 

 

本日は,会社から,突然,解雇を通告された場合の対処法

について解説します。

 

 

2 解雇されても解雇予告手当を請求すべきではない

 

 

まず,労働基準法20条1項により,会社は,

労働者を解雇する場合には,少なくとも30日前に

解雇の予告をしなければなりません。

 

 

30日前に解雇予告をしない会社は,労働者に対して,

30日分以上の平均賃金を支払わなければなりません。

 

 

これを解雇予告手当といいます。

 

 

そのため,会社が労働者を即時に解雇するには,

解雇予告手当を支払わなければならないのです。

 

 

もっとも,解雇予告手当を支払わずにした即時解雇であっても,

会社が即時解雇に固執する趣旨でない限り,

解雇通告後30日の期間を経過するか,

または解雇通告の後に解雇予告手当の支払をしたときには,

有効になるとされています。

 

 

 

次に,即時解雇がされたものの,

解雇予告手当の支払を受けていない労働者が,会社に対して,

解雇予告手当を請求すべきかについて検討します。

 

 

労働者が解雇が無効であるとして,解雇を争いたい場合には,

労働者は,解雇予告手当を請求してはいけません。

 

 

これは,どういうことかといいますと,

労働者が解雇を争う場合,会社に対して,

就労する意思があることを明示する必要があるところ,

解雇予告手当を請求することは,解雇による労働契約関係の終了を

前提とするものであり,解雇した会社で就労する意思を喪失したと

評価されてしまうおそれがあるからです。

 

 

解雇予告手当を請求していることから,

就労する意思を喪失したとして,

労働契約の終了を認定した裁判例があります

(三枝商事事件・東京地裁平成23年11月25日判決・

労働判例1045号39頁)。

 

 

そのため,失業給付の受給資格がなく,蓄えもないなど,

解雇された後の当面の生活が困窮するような場合以外は,

解雇されても,解雇予告手当の請求をしないのが無難なのです。

 

 

3 解雇の際に退職に合意することの文書にサインしてはいけない

 

 

また,解雇の際に,退職に合意することの文書に

サインを求められたとしても,サインをしてはいけません。

 

 

退職に合意する文書にサインをすると,解雇ではなく,

自己都合退職となってしまい,自分から勝手に会社を辞めたことになり,

会社に対して何も請求できなくなるからです。

 

 

このように,解雇の際には,判断を間違うと,後々,

会社に対して金銭請求ができなくなることがありますので,

なるべく早い段階で,弁護士に相談することをおすすめします。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

新型コロナウイルスの感染拡大を理由とする整理解雇が認められるか

1 新型コロナウイルスを理由とする整理解雇が増えそうです

 

 

厚生労働省は,新型コロナウイルスの感染拡大を受けて,

全国で888人が解雇や雇止めされる

見通しがあることを明らかにしました。

 

 

https://www.asahi.com/articles/ASN3W6H4HN3WULFA01G.html

 

 

解雇や雇止めが多くなりそうなのは,

観光客の減少が経営を直撃する観光業のようです。

 

 

今後,日本における新型コロナウイルスの感染拡大が増えていけば,

解雇や雇止めも増えていくことが予想されます。

 

 

 

それでは,正社員が会社から新型コロナウイルスの影響で

経営が厳しいので解雇すると言われてしまった場合,労働者は,

どうすればいいのでしょうか。

 

 

本日は,新型コロナウイルス感染拡大と整理解雇について解説します。

 

 

2 整理解雇の4要件

 

 

会社の経営上の必要性に基づき行われる解雇を整理解雇といいます。

 

 

会社の経営状況の悪化に基づき,人件費削減のために行われるのが

整理解雇の典型例であり,今回の新型コロナウイルスの感染拡大の

影響による会社の業績悪化を理由とする解雇は,まさに整理解雇です。

 

 

整理解雇は,労働者に責任のない会社側の事情に基づくものなので,

労働者側を保護する必要性が高いため,会社は,

次の整理解雇の4要件を全て満たさなければ,

整理解雇は無効になります。

 

 

①人員削減の必要性があること

 

 

 ②解雇回避努力を尽くしたこと

 

 

 ③人選が合理的であること

 

 

 ④説明・協議を尽くすなど,解雇手続が相当であること

 

 

新型コロナウイルスを理由とする整理解雇の場合,

①と②の要件が特に重要になると考えます。

 

 

①人員削減の必要性ですが,経営状況が悪化して,

経費削減の必要性が認められても,

それが人員削減によって達成されなければならない程度に

達していない場合や,人員削減以外の経費削減によって

達成できる程度のものである場合には,

人員削減の必要性は否定されます。

 

 

すなわち,新型コロナウイルスの影響で一時的に客がいなくなったや,

仕事が少なくなって売上が減ったという程度の理由では,

①人員削減の必要性は認められないことになります。

 

 

3 雇用調整助成金

 

 

また,②解雇回避努力ですが,新型コロナウイルスについて,

雇用調整助成金制度の要件が緩和されて,

会社が支払った休業手当の一部の助成が容易になっているので,

整理解雇の前に,労働者を休業させて,

休業手当を支払うなどの解雇回避措置をとっていない場合には

,解雇回避努力を尽くしていないと判断されると考えます。

 

 

雇用調整助成金とは,経済上の理由により

事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が,労働者に対して,

一時的に休業,教育訓練または出向を行い,

労働者の雇用の維持を図った場合に,

休業手当,賃金などの一部を助成するものです。

 

 

例えば,取引先が新型コロナウイルスの影響を受けて

事業活動を縮小した結果,受注量が減ったために

事業活動が縮小した場合や,行政からの営業自粛要請を受けて,

自主的に休業を行い,事業活動が縮小した場合などに利用できます。

 

 

 

この雇用調整助成金を活用せずに,いきなり整理解雇をしたのでは,

会社は,②解雇回避努力を尽くしていないとして,

整理解雇が無効になると考えます。

 

 

そのため,新型コロナウイルスの影響による整理解雇といえども,

簡単にできるものではなく,労働者としては,あきらめずに,

整理解雇を無効として職場復帰したり,

一定の金銭の支払を受けて退職するなどの解決方法がありますので,

弁護士に相談するようにしてください。

 

 

なお,石川県では,4月6日月曜日10時から15時までの時間帯に,

新型コロナウイルス労働問題ホットラインを実施します(日本労働弁護団主催)。

 

 

この日時に076-221-4111に電話していただければ,

弁護士が新型コロナウイルスに関する労働者側の労働問題について,

電話でアドバイスします。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

解雇事件で未払賃金を請求するために必要なこと

1 解雇事件では労務提供の意思と能力が必要

 

 

あけましておめでとうございます。

 

 

今年も,働く方々にとって役立つ情報を発信していきますので,

このブログをよろしくお願い致します。

 

 

さて,本日は解雇に関して,労働者にとって

有意義な判断をした裁判例を紹介します。

 

 

横浜A皮膚科経営者事件の横浜地裁平成30年8月23日判決

(労働判例1201号68頁)です。

 

 

この事件は,個人病院を経営する被告から,

口頭で懲戒解雇を告げられて,

それ以後出勤しなくなった原告労働者が,

未払賃金を請求したというものです。

 

 

 

労働者が賃金を請求するためには,労務を提供し,

会社がその労務を受け取ることが必要になります。

 

 

解雇の場合,会社が労働者の労務の提供を拒否していますので,

労働者としては,現実的な労務の提供は不要なのですが,

労務提供の意思と能力が必要になります。

 

 

労働者が労務提供の意思と能力を表明しているにもかかわらず,

会社が労務の提供を拒否したのであれば,

会社には民法536条2項の帰責事由があるとして,

労働者は,会社に対して,未払賃金を請求できるのです。

 

 

そこで,解雇事件においては,労働者は,

会社に対して,働く意思があることを通知します。

 

 

この通知を出すことで,労働者の労務提供の意思と能力が明確になり,

労働者は,会社に対して,未払賃金を請求できるのです。

 

 

本件事件では,被告に,民法536条2項の

帰責事由があるのかが争われました。

 

 

この点,被告は,原告に対して,病院への出勤を要請した事実はなく,

懲戒解雇を撤回し,原告の労務提供を受け取ることを

積極的かつ明確に表示していないことから,

民法536条2項の帰責事由は解消されていないと判断されました。

 

 

要するに,会社は,解雇を撤回して,

出勤を促すなどをしないと,労働者から解雇を争われて,

解雇が無効になれば,未払賃金を支払わなければならなくなるのです。

 

 

2 未払賃金から失業給付を控除できるのか

 

 

また,本件事件では,原告は,

雇用保険の基本手当(いわゆる失業給付です)を受給していたところ,

被告は,未払賃金の請求から,

この失業給付が控除されるべきであるとして争いました。

 

 

 

しかし,結果として失業していない期間に

失業給付を受給したのであれば,

その分は政府に対して返還すべきものであり,

被告との間で未払賃金からの控除によって

調整すべきものではないとされました。

 

 

そのため,失業給付を受給しても,未払賃金から,

失業給付の分が控除されることはないのです。

 

 

解雇事件を処理するにあたり,

労働者に役立つ裁判例ですので,紹介しました。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

解雇を争うときに賞与を請求することができるのか

 

労働者が会社から解雇された場合,解雇に納得できなければ,

解雇を争うために,裁判手続を利用することがあります。

 

 

解雇を争う裁判手続において,労働者は,会社に対して,

解雇は無効なので,労働者の地位がまだありますよという

地位確認の請求と,解雇期間中の未払賃金の請求をしていきます。

 

 

 

裁判で争った結果,解雇が無効になれば,

解雇期間中に解雇がなければもらえるはずであった

毎月の給料分の未払賃金は,問題なく認められるのですが,

解雇期間中の賞与の請求については,認められないことが多いです。

 

 

それは,どうしてなのでしょうか。

 

 

本日は,解雇期間中の賞与の請求について解説します。

 

 

解雇期間中の賞与請求が認められるのは,

具体的な権利性が認められる場合に限られています。

 

 

すなわち,就業規則や労働協約,労使慣行等において,

賞与の支給基準が具体的に定まっており,その支給基準に従えば,

形式的に賞与額を算定することができる場合に,

具体的な権利性が認められて,

解雇期間中の賞与請求が認められるのです。

 

 

例えば,就業規則に,賞与は,給料の2ヶ月分支給する

と定められており,実際に,そのとおりに賞与が支給されていれば,

具体的な権利性が認められて,

解雇期間中の賞与請求が認められるわけです。

 

 

他方,賞与の金額を決定するために,

会社の成績査定を経ることが必要な場合,解雇期間中には,

会社の成績査定が実施されていないので,

賞与の金額を算定できないこととなり,

具体的な権利性が認められず,

解雇期間中の賞与請求を認めないとする裁判例は多いです。

 

 

そのような中,解雇期間中の賞与請求を認めた

裁判例があるので紹介します。

 

 

東京高裁平成30年6月18日判決

(判例時報2398号106頁)では,

大学教授に対する懲戒解雇及び普通解雇が無効とされた上で,

解雇期間中の賞与請求が認められました。

 

 

この事件では,給与規定に,賞与の支給について,

実績等を斟酌し,また,勤務の状況により

賞与を増減額することがあると定められていたのですが,

被告の大学教授の賞与は,留学や休職などの事情がない限りは,

教授ごとに個別に成績査定するという運用はされておらず,

給与額に5・25をかけることで機械的に

賞与の額を算定するようになっており,

成績査定を経ずに賞与が支給されていました。

 

 

 

 

そのため,解雇期間中に,成績査定を受けていないからといって,

解雇された原告が具体的な賞与請求権を取得していないわけではない

と判断されて,解雇期間中の賞与請求が認められたのです。

 

 

就業規則の形式面ではなく,

賞与支給の実態をみて判断することになるのです。

 

 

そのため,賞与が機械的に算定されているようなケースでは,

諦めずに,解雇期間中の賞与請求をしていく必要があると考えます。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。