投稿

会社が倒産したときに未払賃金分を取締役に対して損害賠償請求できるのか

1 取締役の第三者に対する責任

 

 

昨日のブログでは,会社が倒産して,給料が支払われないときには,

未払賃金の立替払制度を利用することが効果的であると解説しました。

 

 

もう一つ,会社の社長などの取締役に対して,

未払賃金分の損害賠償請求をするという方法があります。

 

 

前提として,労働者に対して,労働契約に基づいて

賃金の支払義務を負っているのは会社なので,労働者は,

直接には,社長個人に対して,未払賃金を支払えとは言えないのです。

 

 

しかし,給料を支払う意思がないのに働かせた上での

賃金不払いといった悪質性の特に強い事案においては,

社長個人に対して,未払賃金分の損害賠償請求ができないかを検討します。

 

 

 

この社長個人に対する損害賠償請求をするときの法律根拠が,

会社法429条に基づく取締役の第三者に対する責任というものです。

 

 

会社の社長などの取締役が,会社の管理や運営を

適正に行うことを確保するために,取締役は,

善良な管理者の注意義務をもって,

会社から委任を受けた事務を処理する義務を負っています。

 

 

これを取締役の善管注意義務といいます。

 

 

取締役がこの善管注意義務に違反すると,

会社の任務を怠ったと評価され,

それによって第三者に損害が発生した場合に,

取締役は,第三者に対して,損害賠償責任を負います。

 

 

第三者には,会社の労働者も含まれます。

 

 

2 取締役に対して未払賃金分の損害賠償請求が認められた裁判例

 

この取締役の第三者に対する責任追及を根拠に,

取締役に対する,未払賃金分の損害賠償請求が認められたケースとして,

ブライダル関連会社元経営者ら事件の

鳥取地裁平成28年2月19日判決があります

(労働判例1147号83頁)。

 

 

この事件では,会社が事実上の倒産状態となり,

給料が未払とされた労働者が,代表取締役と取締役に対して,

未払賃金分の損害賠償請求をしました。

 

 

取締役は,会社をして使用者の労働者に対する基本的義務である

給与の支払日における全額支払の履行に漏れがないようにするために,

その時点における最善の努力を尽くすべきであり,そのことは,

取締役の善管注意義務の内容になっているので,この努力を怠ることは,

取締役の任務懈怠と評価されると判断されました。

 

 

そして,取締役は,会社経営が困難な状況にこそ,

事態を放置することは会社の財務状況をますます悪化させ,

労働者の損害をさらに拡大するのであるから,

損害の拡大を阻止するために,可能な限り,

最善の方法を選択,実行すべき善管注意義務を負っているのです。

 

 

 

本件の代表取締役は,給料が未払であることを認識しており,

そのような意図的な給料未払という事態は,すでにそれ自体として,

取締役に期待される最善の努力を尽くしていないとして,

代表取締役に対する損害賠償請求か認められました。

 

 

また,本件の取締役は,代表取締役の行為を監視し,

会社経営に関して適切な意見を具申すべき義務があるのに,

これを怠ったとして,取締役に対する損害賠償請求も認められました。

 

 

このように,意図的に給料を未払にして放置しているような

事案であれば,まだ十分に資力がありそうな取締役に対して,

未払賃金分の損害賠償請求をすることを検討してみる必要があります。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

会社が倒産して給料が支払われない時の対処法

1 会社が倒産して給料が支払われない

 

 

会社が倒産したので,給料が支払われなくて困っています,

という法律相談を受けることがあります。

 

 

会社の社長が行方をくらまして連絡がとれない,

社長と連絡はとれるけれども未払の給料を支払うと言っているのに

全然支払ってくれない,といった問題があります。

 

 

 

労働者は,働けば,当然に,会社に対して,

給料の支払を請求できるのですが,会社に,

労働者に給料を支払うだけの資力がなければ,

無い袖は振れないということで,

会社から給料の回収をするのは困難です。

 

 

会社の社長に給料の請求ができないのかも考えるのですが,

会社と社長は別人格であり,労働者に対して

給料の支払義務を負っているのは,

労働契約を締結している会社であって,社長ではないのです。

 

 

社長に対して,取締役の責任追及として,

未払給料分の損害賠償請求をすることも考えられますが,

未払給料の金額が小さいと,弁護士に依頼しても

費用倒れになってしまうリスクがあります。

 

 

2 未払賃金の立替払制度

 

 

そこで,このようなときには,

未払賃金の立替払制度を利用できないかを検討します。

 

 

未払賃金の立替払制度とは,会社が倒産して

賃金や退職金の未払が生じたときに,

国(独立行政法人労働者健康福祉機構)が

会社に代わって立替払をする制度です。

 

 

立替払の対象となる未払賃金は,

退職日の6ヶ月前の日から立替払請求日の前日までの間に

支払期日が到来している定期賃金

(毎月1回以上一定の期日を定めて支払われる賃金)及び退職手当です。

 

 

賞与,解雇予告手当,遅延損害金,旅費などは

立替払の対象にはなりません。

 

 

未払賃金が2万円以上あることが必要で,

立替払の対象となる賃金額は,

未払賃金総額の8割とされています。

 

 

もっとも,未払賃金総額には,

退職日の年齢に応じた限度額が設定されています。

 

 

退職日における年齢 未払賃金総額の限度額 立替払の総額
30歳未満 110万円 88万円
30歳以上45歳未満 220万円 176万円
45歳以上 370万円 296万円

 

 

立替払制度を利用するには,

倒産した事業主(会社,個人を含みます)が

労災保険の適用事業を1年以上行ってることが必要です。

 

 

労災保険は,一人でも労働者を雇用すれば強制的に適用されるので,

ほとんど全ての事業が対象となります。

 

 

事業主が労災保険の保険料を支払っていなくても,

この要件を満たします。

 

 

対象となる倒産ですが,破産,民事再生,会社更生,特別清算

といった法的手続をとった倒産は全て適用されます。

 

 

法的な倒産手続の場合,裁判所や破産管財人などから,

破産などの事由と未払賃金額などについて証明書をもらい,

これを添付して労働者健康福祉機構に

未払賃金の立替払請求書を提出します。

 

 

また,中小企業の場合,法的な倒産手続をとっていなくても,

事実上の倒産として労働基準監督署が認定すれば,

立替払制度を利用できます。

 

 

 

事実上の倒産とは,事業活動が停止し,再開する見込みがなく,

賃金の支払能力がない状態をいいます。

 

 

事実上の倒産の場合は,労働基準監督署に

事実上の倒産の認定申請書を提出し,認定をうけてから,

労働者健康福祉機構に未払賃金の立替払請求書を提出します。

 

 

立替払制度の対象者となる労働者は,

破産などの申立日または労働基準監督署に対する認定申請日の

6ヶ月前から2年の間に退職した方です。

 

 

立替払請求は,破産手続開始の決定があった日の翌日から2年以内に,

労働基準監督署から事実上の倒産の認定があった日の翌日から2年以内に

する必要があります。

 

 

法的な倒産手続の場合は,申立代理人や管財人が対応してくれますが,

全ての事業主が法的な倒産手続をとるわけでなく,

何もしないまま放置されていることもあるので,

そのようなときは,労働基準監督署へいって,

未払賃金の立替払制度を利用できないか相談してみてください。

 

 

立替払制度を利用して,8割でもいいので未払賃金を回収した方が,

費用対効果を考えればいいと思います。

 

 

なお,未払賃金の立替払制度については,

こちらのUELにあるパンフレットに詳しい説明が記載されていますので,

ご参照ください。

 

 

https://www.johas.go.jp/Portals/0/data0/kinrosyashien/pdf/tatekae_seido_Pamphlet.pdf

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

未払残業代を含む賃金債権の消滅時効が3年になります

1 賃金債権の消滅時効

 

 

先日,未払残業代を含む賃金債権の消滅時効の期間が

2年から延長されることで労働政策審議会

の議論が進んでいることについて,ブログで紹介しました。

 

 

https://www.kanazawagoudoulaw.com/tokuda_blog/201912268874.html

 

 

公益委員が示した案は,賃金債権の消滅時効を,

改正民法にあわせて,5年とするものの,

当分の間,3年とし,改正から5年経過後に施行状況を勘案しつつ,

検討を加えるというものでした。

 

 

 

そして,12月27日,厚生労働省は,

この公益委員の意見を受け入れて,

年明けの通常国会に労働基準法改正案を提出し,

2020年4月からの改正民法の施行に間に合わせるようです。

 

 

あっという間に,進んでしまい驚きました。

 

 

2 賃金債権の消滅時効は5年にすべき

 

 

先日のブログにおいて,私は,改正民法に合わせて,

賃金債権の消滅時効を5年にすべきと主張しました。

 

 

もともと,賃金債権は,現行民法において,

1年の短期消滅時効が適用されていましたが,

賃金債権は,労働者の生活の糧となる重要な債権であることから,

労働者を保護する観点から,労働基準法で

2年に消滅時効が延長されたという経緯があります。

 

 

そのため,改正民法の消滅時効が5年に統一される中,

労働者を保護するための労働基準法において,

改正民法の5年よりも短い2年の消滅時効にしておくことは,

根本的に矛盾が生じてしまいます。

 

 

だから,改正民法の施行にあわせて,

賃金債権の消滅時効を5年にすべきなのです。

 

 

今回,政治的な妥協の産物として,

賃金債権の消滅時効が3年になったことについて,

非常に残念に思います。

 

 

労働基準法に違反して賃金の支払を怠っているにもかかわらず,

その支払を免れるための使用者側の居直りを受け入れたものであり,

到底納得できるものではありません。

 

3 消滅時効を中断するには

 

 

とはいうものの,現実には,賃金債権の消滅時効は

3年に延長されることになりそうなので,

これに対処する必要があります。

 

 

労働基準法が年明けの通常国会で改正されて,

2020年4月1日から施行されれば,

2020年4月以降に発生する賃金債権の消滅時効は

2023年4月以降まで消滅時効にかからなくなります。

 

 

賃金債権は,毎月発生して,

時効期間が経過するごとに消滅していくので,

2020年4月の賃金債権は,

2023年4月で消滅時効にかかり,

2020年5月の賃金債権は,

2023年5月で消滅時効にかかります。

 

 

この消滅時効をとめるためには,

賃金債権を会社に請求する必要があります。

 

 

 

具体的には,「2017年12月から2019年12月までの

未払残業代を含む全ての未払賃金を請求します。」などと書いた文書を,

特定記録郵便で会社に郵送します。

 

 

ポイントは,未払賃金の金額を記載する必要はなく,

請求する期間を特定することです。

 

 

FAXやメールでこの文書を送っても大丈夫です。

 

 

ようは,この文書が会社に届いたことを後から証明できればいいのです。

 

 

 

この文書が会社に届けば,

消滅時効の完成が6か月間猶予されるので,

その間に会社と交渉をします。

 

 

6か月間で会社との交渉がまとまらないのであれば,

6か月間以内に裁判か労働審判を提起することで,

消滅時効は完全にとまります。

 

 

請求書をだしただけでは,消滅時効の完成を猶予する効力しかなく,

6ヶ月以内に裁判などを提起しなければならないことを忘れないでください。

 

 

ブラック企業被害対策弁護団が作成したこちらの動画をみれば,

賃金債権の消滅時効と時効の中断について,

おもしろおかしく学べることができるので,

一度みてみてください。

 

 

 https://www.youtube.com/watch?v=2AwRdwRBHNE&feature=youtu.be

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

 

未払残業代を含む賃金債権の消滅時効の期間が延長されるのか?

1 未払残業代を含む賃金債権の消滅時効の延長の議論

 

 

未払残業代を含む賃金債権の消滅時効を延長する議論が

労働政策審議会においてされており,12月24日に,

公益委員から2年の消滅時効を3年に延長する案が示されました。

 

 

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08597.html

 

 

本日は,未払残業代を含む賃金債権の

消滅時効の延長について解説します。

 

2 消滅時効とは

 

 

まず,消滅時効について解説します。

 

 

そもそも,ある人がある人に対して,

何かをしてくださいと請求できる権利を債権といい,

請求できる人を債権者,請求される人を債務者といいます。

 

 

例えば,労働者が会社と労働契約を締結して,仕事をした場合,

労働者(債権者)は,会社(債務者)に対して,給料を請求できます。

 

 

これを賃金債権といいます。

 

 

このような債権は,一定の時間が経過すれば,消滅してしまうのです。

 

 

このように,一定の時間が経過することで債権が消滅する制度を,

債権の消滅時効といいます。

 

 

 

なぜ,このような債権の消滅時効制度があるのかといいますと,

次の3つの理由があるといわれています。

 

 

①長期にわたって存続している事実状態を尊重して,

その事実状態を前提として構築された

社会秩序や法律関係の安定を図ること。

 

 

②過去の事実の立証の困難を救い,

真の権利者ないしは債務から解放された者を保護すること。

 

 

③権利の上に眠る者は保護に値せずということ。

 

 

おおまかには以上の3つの理由があるのですが,法律で,

何年か経ったら時効で消滅すると記載されているので,

時効期間が経過してしまえば,債権者は,

債務者に対する請求をあきらめざるをえないのです。

 

 

3 賃金債権の消滅時効

 

 

次に,賃金債権の消滅時効について説明します。

 

 

もともと,現行民法174条1号において,

賃金債権の消滅時効は1年になっていました。

 

 

しかし,賃金債権は,労働者にとって生活の糧となるものであり,

それがたったの1年で消滅するのでは,

労働者の保護に欠けることになります。

 

 

そこで,労働基準法115条が制定されて,

賃金債権の消滅時効が1年から2年に延長されたのです。

 

 

4 民法改正で消滅時効が5年に統一される

 

 

ところが,2020年4月から改正民法が施行されることになり,

現行民法に記載されていた様々な期間の消滅時効が

全て5年に統一されることになりました。

 

 

そうなりますと,労働者保護のために

賃金債権の消滅時効を2年にしていたのですが,

他の債権の消滅時効が5年になるのに,

賃金債権の消滅時効が2年のままですと,

労働者の保護に欠けることになります。

 

 

そこで,改正民法の消滅時効を5年に統一することにあわせて,

賃金債権の消滅時効を5年に延長すべきではないか

が議論されてきたのです。

 

 

しかし,労働政策審議会では,企業側の委員が大反発して,

現行の消滅時効2年を維持することを訴え続けました。

 

 

結局,労使の委員で合意することができず,

2020年4月の改正民法施行が近づいてきたこともあり,

12月24日に公益委員から次の折衷案がだされました。

 

 

まず,民法改正により債権の消滅時効が5年に統一される

バランスをふまえ,賃金債権の消滅時効は5年とする。

 

 

もっとも,賃金債権について,直ちに消滅時効を5年に延長すると,

労使の権利関係を不安定化するおそれがあり,

紛争の早期解決・未然防止という賃金債権の消滅時効が果たす役割の

影響を踏まえて慎重に検討する必要がある。

 

 

そこで,当分の間,賃金債権の消滅時効を3年として,

一定の労働者保護を図り,5年後に再び,

状況をみながら消滅時効を5年にするかを検討する。

 

 

 

そして,2020年4月1日以降に発生した賃金債権から,

消滅時効が3年に延長されるというものです。

 

 

5 賃金債権の消滅時効は5年に延長されるべきです

 

 

労使双方のかおをたてた折衷案ですが,中途半端な感はいなめません。

 

 

論理的に考えれば,民法改正にあわせて

賃金債権を5年に延長すべきであり,

中途半端に3年にすべきではありません。

 

 

むしろ,賃金債権の消滅時効が5年になれば,

企業は,5年分の残業代を支払うことを嫌がり,

否が応でも,残業を規制することになり,

長時間労働の撲滅につながると思います。

 

 

なんとか,賃金債権の消滅時効が5年になることを期待したいです。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

退職金の放棄が認められる場合とは?

労働者が不祥事を起こしてしまい,

会社からその不祥事を不問にするので,自己都合退職として,

退職金を受け取らないという文書を提出するように言われて,

そのとおりにしてしまいました。

 

 

このように,退職金の請求を放棄する文書を提出してしまった労働者は,

退職金を請求することができないのでしょうか。

 

 

本日は,退職金の放棄について解説します。

 

 

 

まず,退職金は,就業規則などに

支給基準が明確に定められている場合には,

会社は,支払義務を負うものとして,賃金に該当し,

労働基準法24条1項の賃金全額払の原則が適用されます。

 

 

退職金には,賃金全額払の原則が適用されるので,

退職金を放棄することは,賃金全額払の原則に

違反するのではないかが問題となりますが,通説は,

賃金全額払の原則は,退職金の放棄を禁止していないと解しています。

 

 

とはいえ,労働者が,退職金を放棄することは

通常の場合に予測できないことから,

退職金を放棄する意思表示をした労働者の

真意や自由意思を慎重に判断する必要があります。

 

 

それでは,どのような場合に,退職金の放棄が,

労働者の真意や自由意思でなされたと判断されるのでしょうか。

 

 

退職金の放棄について判断した裁判例として,

シンガーソーイングメシーンカンパニー事件の

最高裁昭和48年1月19日判決

(判例タイムズ289号203頁)があります。

 

 

この事件において,最高裁は,退職金の放棄が,

自由な意思に基づくものであると認めるに足る

合理的な理由が客観的に存在していたものということができる」場合に,

退職金の放棄が有効になると判断しました。

 

 

 

そのうえで,この事件において,

原告労働者が退職後直ちに競合他社に

就職することが判明していること,

原告労働者が在職中に旅費等の経費について

不正をしていたようで,その損害の一部を補填する趣旨で,

退職金を放棄する旨の文書に署名したことから,

原告労働者の退職金の放棄は,

自由な意思に基づくものであると判断されました。

 

 

私としては,これらの事実関係で,

退職金の放棄について自由な意思があったと

認定することには疑問を持っています。

 

 

退職金には,賃金の後払い的性格があり,退職金の放棄は,

その後払いの賃金を全ていらないということになるので,

やはり,労働者の真意を慎重に判断すべきと思います。

 

 

とはいえ,退職金の放棄は,

「自由な意思に基づくものであると認めるに足る

合理的な理由が客観的に存在していた」場合に限って,

認められますので,労働者の不利益の内容及び程度,

労働者が退職金を放棄するに至った経緯や態様,

会社から労働者に対する情報提供や説明の内容

などを考慮して,慎重に判断されるべきです。

 

 

もし,労働者が不本意ながら,

退職金を放棄する文書を提出してしまっても,

退職金の放棄が真意でないのであれば,

事情によっては,退職金を請求できる可能性がありますので,

弁護士に相談するようにしてください。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

賃金から銀行の振込手数料を相殺することは違法です

求人票には,日当1万円と記載されており,

派遣元会社からも,日当1万円という説明を受けて,

日雇派遣や日々職業紹介で働くことになりました。

 

 

派遣労働者は,お金がなく,給料支給日まで待っていては,

生活が困難になるので,給料支給日よりも前に

給料を受けとりたいというニーズがあります。

 

 

すると,派遣元会社からは,給料支給日よりも前に

給料を受け取るには,105円から315円の振込手数料を

給料から天引きする即給サービスというシステムの紹介を受けて,

派遣労働者は,給料支給日よりも前に,

振込手数料を天引きされて給料を受け取っていました。

 

 

このように,給料から銀行の振込手数料を天引きすることは,

違法ではないのでしょうか。

 

 

 

 

本日は,給料から銀行の振込手数料を天引きすることの是非

について争われた東京高裁平成30年2月7日判決を紹介します

(判例時報2388号104頁)。

 

 

この問題は,労働者の同意がある場合に,

給料と銀行の振込手数料を相殺することは,

労働基準法24条1項の賃金全額払の原則

に違反するかというものです。

 

 

賃金は,労働者の生活の糧となるものなので,

労働者の生活の安定のために,

賃金全額が確実に労働者の手元に渡るように,

会社は,賃金全額を労働者に支払う義務を負っています。

 

 

他方,相殺というのは,会社が労働者に対して

金銭を請求する権利を有しているときに,

労働者が会社に対して,金銭を支払い,

その後に,会社が労働者に対して,給料を支払うのでは,

手間がかかるので,会社の労働者に対する債権と

労働者の会社に対する賃金債権を対当額で消滅させることです。

 

 

会社の労働者に対する債権と,労働者の会社に対する賃金債権とを

相殺すれば,労働者の手取り賃金が減少し,

日々の生活が苦しくなるので,

原則として賃金からの相殺は禁止されています。

 

 

 

 

例外的に,労働者が相殺に同意しており,

その同意が労働者の自由な意思に基づいてされたものであると

認めるに足る合理的理由が客観的に存在している場合に限り,

賃金からの相殺が認められるのです

(最高裁平成2年11月26日判決・日新製鋼事件)。

 

 

本件事件では,原告の労働者は,会社から,

即給サービスを利用するには,

振込手数料105円若しくは315円が利用者負担となる

という文書を渡されて,同意していました。

 

 

しかし,被告会社は,即給サービスによって

現金による賃金支払の事務の負担を免れることができ,

原告の労働者は,不安定な雇用に置かれている者であり,

不本意ながら即給サービスを利用せざるをえない立場にあり,

被告会社から即給サービスの利用を誘導されて,

利用したという事情がありました。

 

 

そのため,原告の労働者の即給サービスを利用したときに,

給料から銀行の振込手数料が相殺されることの同意について,

労働者の自由な意思に基づいてされたものであると

認めるに足る合理的理由が客観的に存在する場合ではないと判断され,

給料から銀行の振込手数料を相殺することは違法と判断されました。

 

 

さらに,労働基準法24条1項の賃金全額払の原則に違反することは,

労働者の経済的利益だけでなく,人格的利益を侵害するものとして,

民法の不法行為における違法性を構成し,

被告会社は賃金全額を支払っていないことを認識していたので,

過失があるとして,不法行為に当たると判断されました。

 

 

 

 

原告の労働者の時給が800円であり,

即給サービスの1回の利用により315円を違法に

賃金から控除されていたことから,控除の額が

原告の労働者にとって小さくないことから,

原告に精神的苦痛があったとして,

慰謝料1万円が認められました。

 

 

賃金が相殺される際の労働者の同意を厳格に判断した上で,

賃金全額払の原則の違反が,労働者の人格的利益を侵害して

不法行為にあたり,慰謝料の支払いを命じたのが画期的です。

 

 

賃金からよくわからない控除がされていたときに,

労働者にとって参考になる判例です。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

最低賃金の業種別の全国一律化の議論

今年の4月から,外国人労働者の受け入れが拡大されます。

 

 

外国人労働者は,賃金の高い都市部にいくことが考えれますが,

そうなると,地方の人手不足を解消することができません。

 

 

人材確保の一環として,外国人労働者の受け入れが

拡大されたにもかかわらず,都市部に外国人労働者が流入し,

外国人労働者が地方に定着しないことが懸念されているようです。

 

 

 

 

そこで,厚生労働省は,建設や介護など,

外国人労働者を拡大する14業種を対象に,

業種別の全国一律の最低賃金を導入することを

検討することになりました。

 

 

しかし,人件費がふくらむことをおそれた

経済界が難色を示したところ,厚生労働省は,

この検討をすることを停止したようです。

 

 

厚生労働省は,統計不正問題で大変な中で,さらに,

最低賃金の問題が加わることをおそれたのかもしれません。

 

 

本日は,この問題を理解するために最低賃金制度について解説します。

 

 

最低賃金制度とは,国が,労働契約における賃金の最低額を定めて,

会社に対して,それを守ることを強制する制度です。

 

 

 

 

最低賃金制度が設けられた趣旨は,市場経済体制のもとでは,

経済情勢や労働市場の状況によっては,

著しく低額な賃金の労働関係が出現して,

労働者の生活を困難にするおそれがあることから,

国が労働市場のセーフティネットとして,

賃金額の最低限度を定めて,

これを会社に強制することにしたのです。

 

 

会社は,労働者に対して,最低賃金以上の

賃金を支払う義務を負うので,労働者は,

最低賃金以下の賃金しか受け取っていない場合,

会社に対して,最低賃金と実際の賃金との差額を請求できます。

 

 

最低賃金には,地域別最低賃金と特定最低賃金の2つがあります。

 

 

地域別最低賃金は,地域における労働者の生計費及び賃金

並びに通常の事業の賃金支払能力を考慮して,

都道府県ごとに定められる最低賃金です。

 

 

各地域の産業・賃金・生計費の実際的な違いを考慮して

全国一律の最低賃金ではなく,地域別の最低賃金を設定して,

賃金の低廉な労働者のための最低賃金を整備しているのです。

 

 

地域別最低賃金は,中央最低賃金審議会又は

地方最低賃金審議会の調査審議を経て,決定されます。

 

 

平成30年10月1日発行の地域別最低賃金は,

最も高いのが東京都の985円,

最も低いのが鹿児島県の761円で,

224円の差があります。

 

 

 

 

ちなみに,石川県の地域別最低賃金は806円で,

全国平均874円よりも低いです。

 

 

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/

 

 

会社が,地域別最低賃金以下の賃金を支払っていた場合,

50万円以下の罰金に処せられます(最低賃金法40条)。

 

 

もう一つの,特定最低賃金は,一定の事業または職業について,

地域別最低賃金を上回る最低賃金を設定することをいいます。

 

 

労働者または使用者の全部または一部を代表する者が,

厚生労働大臣または都道府県労働局長に対して申し出て,

最低賃金審議会の意見を聞いて,

厚生労働大臣または都道府県労働局長が決定します。

 

 

特定最低賃金については,罰則はありません。

 

 

現在の最低賃金制度では,地域別最低賃金がほとんどで,

特定最低賃金はそれほど利用されていません。

 

 

今回の,外国人労働者の受け入れ拡大に伴う

最低賃金の業種別一律化は,外国人労働者の受け入れを拡大する

14業種について,特定最低賃金を設定しようとするものでした。

 

 

しかし,14業種について,最も高い東京都の水準に

あわせようとすれば,労働者は嬉しいですが,経営側は,

人件費の高騰を理由に猛反発しますし,

最も低い鹿児島県の水準にあわせようとすれば,

経営側は喜びますが,労働者は,給料が減額されるので猛反発します。

 

 

基本的には,外国人労働者を地方に定着させるために,

地域別最低賃金よりも高い特定最低賃金を設定しようとすると,

東京都の水準にあわせることになると思いますが,そうなると,

地方の中小企業が人件費の高騰に耐えられるのかという問題が生じます。

 

 

そのため,この議論は,早々に幕を引きました。

 

 

とはいえ,外国人労働者の地方への定着をどうするのか

という問題は残ったままですので,

地方の最低賃金があがる方向になるのか注目していきたいです。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

デジタルマネーでの給料の支払は認められるのか?~賃金の通貨払いの原則~

現在,厚生労働省は,デジタルマネーで

給料の支払いができるように検討しているようです。

 

 

もともとは,国家戦略特区において,

デジタルマネーでの給料の支払の解禁を考えていたようですが,

今は全国での解禁の話をしているようです。

 

 

デジタルマネーとは,電子情報で支払いに充てられるお金の総称で,

スイカなどのICカードやスマートフォンにチャージできる電子マネーや,

ラインなどのインターネット事業者が手がけるマネーなどのことです。

 

 

 

 

昨年あたりから,日本でも,ペイペイやラインペイなどの

スマホ決済が脚光を浴び,キャッシュレス社会へ動き出しています。

 

 

聞くところによると,中国では,

スマホ決済が既に主流で,

現金を使うことがほとんどないようです。

 

 

なぜ,デジタルマネーでの給料の支払いが浮上したかといいますと,

今後,外国人労働者が増加していくことが見込まれますので,

キャッシュレス社会が進んだ国から日本にきた外国人労働者に対して,

デジタルマネーで給料を支払った方が,

外国人労働者にとってメリットがあると考えられたようです。

 

 

ところが,このデジタルマネーでの給料の支払いについては,

労働基準法24条1項の賃金の通貨払いの原則

との関係で問題があります。

 

 

賃金の通貨払いの原則とは,貨幣経済の支配する社会では

最も有利な交換手段である通貨による賃金支払を義務付け,

これによって,価格が不明瞭で換価にも不便であり,

弊害をまねくおそれが多い実物給付を禁止したものです。

 

 

 

 

労働者は,会社から賃金を受け取って生活しているところ,

会社から受け取る賃金が通貨以外のもので支給されたら,

通貨以外のものの価値が不明であるため,

物と交換することができず,商品を買うことができなくなって,

日常生活に支障が生じることから,会社に対して,

賃金を通貨で支払うことを義務付けているのです。

 

 

そのため,会社は,給料を通貨ではなく,

自社商品で支給することは許されないのです。

 

 

もっとも,賃金の通貨払いの原則は,

労働者にとって不利益な実物給付を禁止する趣旨であることから,

公益上の必要がある場合や,労働者に不利益になるおそれが少ない場合

には,例外が認められます。

 

 

例えば,銀行口座への振込は,労働者の同意があり,

労働者が指定する銀行口座であれば,

賃金の通貨払いの原則に違反しません

(労働基準法施行規則7条の2第1項1号)。

 

 

銀行口座への振込であれば,労働者は,

給料日に,銀行へ行けば,給料を引き出せるので,

不利益はありませんし,計算の手間が省けることから,

給料を現金で手渡すよりも,銀行振込の方が,

会社にとっても,労働者にとっても,便利だからなのです。

 

 

退職金については,金額が高額になることから,

現金の保管や持ち運びに危険が伴うため,

銀行が振り出した小切手で支払うことが認められていますが

(労働基準法施行規則7条の2第2項),

毎月の賃金を小切手で支払うことは,

小切手が一般的に普及している支払手段ではなく,

受け取った労働者に若干の不便を与えるので,

適当ではないと考えられているようです。

 

 

では,デジタルマネーでの給料の支払はどうかといいますと,

労働基準法24条1項では,「厚生労働省令で定める賃金について

確実な方法で厚生労働省令で定めるものによる場合においては,」

通貨以外のもので支払うことが認められると規定されているので,

厚生労働省が賃金として確実に支払われると判断して,

厚生労働省令で定めれば,デジタルマネーでの給料の支払は

可能となります。

 

 

 

賃金の通貨払いの原則の趣旨からすれば,

労働者に不利益が生じないといえれば,

デジタルマネーでの給料の支払は認められると考えられています。

 

 

もっとも,会社が労働者の給料相当額を

資金移動業者へ支払ったものの,

資金移動業者が倒産したために,

労働者に給料が支払われなくなることだけは,

絶対に避けなければなりません。

 

 

そのため,デジタルマネーでの給料の支払を認めるためには,

金融庁が資金移動業者の監督を徹底し,仮に倒産した場合でも,

労働者に給料が支払われる仕組みを構築することが必要であると思います。

 

 

デジタルマネーでの給料の支払については,

今後の動向を注目していきたいと思います。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

保険外交員の搾取の問題

保険外交員が労働契約を締結する保険代理店から

搾取されている問題がクローズアップされています。

 

 

給料から様々な費用が天引きされて収入が低い,

売上が低いと費用のマイナスが多くなり,

借金を背負わされてしまう,

会社から損害賠償請求すると脅されて,

会社を辞めさせてもらえない,

等といった被害が発生しているようです。

 

 

 

このような保険外交員の搾取被害に対応するために,

保険外交員搾取被害弁護団」が結成され,

私も,弁護団の一員に加えていただきました。

 

 

http://hokenhigai.com/problem.html

 

 

本日は,保険外交員の搾取被害について解説していきます。

 

 

以前は,保険外交員は,保険代理店と委任契約を締結し,

保険の販売を行っていたようです。

 

 

委任契約の場合,労働基準法が適用されないため,

一方的に契約を解除されたり,最低賃金法が適用されないため,

毎月の収入が最低賃金を下回るなどのリスクを負うことになります。

 

 

ところが,2014年に金融庁の指針により,

保険外交員と保険代理店の委任契約は,

保険業法で禁止されている再委託の禁止に該当するとされて,

委任契約から労働契約へと切り替わりました。

 

 

 

 

委任契約から労働契約に切り替わると,

雇用主である保険代理店は,保険外交員の社会保険料を

一部負担しなければならなくなります。

 

 

保険代理店は,これまでなかった,

社会保険料などの費用負担が生じるので,

どこかで費用を圧縮したいと考えます。

 

 

そこで,保険外交員の給料から,

パソコンのキーボードの購入代金,

プリンター代,パソコンシステム使用料,名刺代など,

保険代理店が負担すべき費用について,

さまざまな名目で控除しているようです。

 

 

また,リーズという見込み客を割り当ててもらう費用も,

給料から天引きされていたようです。

 

 

保険に関心のある消費者を5,000円の商品券などで勧誘し,

その見込み客に対して,保険外交員が営業をかけるのです。

 

 

保険になにも関心がない人よりも,

商品券で勧誘されてたとはいえ,

保険に関心のある人に営業をかけた方が,

保険契約の締結につながる確率はあがることから,

リーズというものが利用されているようです。

 

 

とはいえ,商品券だけもらって契約しない見込み客もいますので,

リーズの割当を受けたからといって,

保険契約の締結につながるわけでもありません。

 

 

 

 

このリーズの割当を受けるのに費用がかかり,

給料から天引きされるのです。

 

 

保険外交員が保険契約を獲得して,

売上を伸ばせればいいのですが,売上が少ないと,

給料よりも費用が大きくなり,それが借金になるというのです。

 

 

このような保険外交員の借金が積み重なると,

退職したくても,借金の返済ができないので,

辞めさせてもらえないという悪循環になるのです。

 

 

しかし,給料から,会社にかかる費用を勝手に天引きすることは,

労働基準法24条1項の賃金全額払の原則に違反します。

 

 

賃金全額払の原則は,労働者に賃金の全額を確実に受け取らせて,

労働者の生活が脅かされないように保護するために導入されました。

 

 

この賃金全額払の原則から,会社は,

労働者に対して請求権をもっていたとしても,

一方的に賃金と相殺することは禁止されています。

 

 

さらに,労働者が自由な意思に基づいて

賃金との相殺に合意することは禁止されていませんが,

この労働者の合意は,自由な意思に基づいてされたものと

認められるに足りる合理的な理由が客観的に存在する時に

限り認められ,厳格かつ慎重に判断されます。

 

 

そのため,保険外交員の給料から,

保険代理店の費用が天引きされていることについて,

保険外交員が自由な意思に基づいて合意していない限り,

無効となります。

 

 

石川県内の保険外交員の搾取被害については,

私が担当させていただきますので,

保険外交員の給料からの天引き,借金を背負わされる,

退職させてもらえないなどのご相談があれば,ご連絡ください。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

会社から休業を命じられた場合に賃金を請求できるのか?

働いている工場の製品の売れ行きが悪いことから,

休業になり,いきなり2週間も自宅待機をさせられました。

 

 

しかも,会社からは,休業期間の給料はゼロと言われました。

 

 

 

労働者には何の落ち度もないのに,

給料がもらえないのでは,

労働者の生活は困難になってしまいます。

 

 

このように,会社の落ち度によって,

休業することになった場合,労働者は,

賃金を請求できないのでしょうか。

 

 

本日は,休業手当について解説します。

 

 

休業とは,労働契約によって,

労働者に労働義務がある時間について,

労働者が労働をなしえなくなることをいいます。

 

 

休業の場合,労働者が会社に賃金を請求できるかは,

休業の原因が労働者と会社のいずれにあるかによって決まります。

 

 

休業の原因が労働者にある場合,

労働者が自分の落ち度で労働義務を履行できなくなったので,

賃金を請求することはできません。

 

 

次に,地震や台風などの自然災害によって,

工場が壊れてしまい,休業することになった場合,

休業の原因が会社にも労働者にもありません。

 

 

 

 

このような不可抗力で休業することになった場合,

労働者は,会社に対して,賃金を請求できません(民法536条1項)。

 

 

ただし,就業規則などに,不可抗力で

休業することになった場合にも賃金が支払われることが

記載されていれば,賃金を請求することができます。

 

 

休業の原因が会社にある場合,労働者は,

原則として,賃金全額を請求することができます。

 

 

社長の怠慢による営業活動の不振で製品が売れなくなり,

会社が労働者を休業させたような場合には,

労働者は,賃金全額を請求できるのです(民法536条2項)。

 

 

もっとも,社長が営業活動をしっかりやったものの,

製品の売れ行きが悪くて自宅待機をさせられたり,

取引先の落ち度によって原材料不足となり,

会社を休業することになった場合など,

労働者が働いていないのに,会社が賃金全額を

支払わなければならないのが酷な場合もあります。

 

 

 

 

しかし,会社側に明確な落ち度がなかったり,

防止が難しかったものであっても,

会社側の領域で生じた休業の場合,

労働者は,会社に対して,平均賃金の6割以上の

休業手当を請求することができます。

 

 

労働基準法26条では,休業手当を請求できるのは,

使用者の責めに帰すべき事由」があるときと定められています。

 

 

給料は労働者の生活の糧であり,休業手当は,

労働者の生活保障のために定められたものであるため,

「使用者の責めに帰すべき事由」は広く捉えられており,

会社側の経営,管理上の領域の問題で休業することになった場合,

労働者は,会社に対して,休業手当を請求できるのです。

 

 

そのため,製品の売れ行きが悪くて

自宅待機を命じられた場合でも,

労働者は,会社に対して,

賃金全額若しくは平均賃金の6割以上の休業手当を

請求することができるのです。

 

 

会社から休業期間中は,給料はでないと言われても,

それを鵜呑みにせずに,しっかりと賃金を請求するようにしてください。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。