年次有給休暇は労働者の権利です!

 

昨日に引き続き,年次有給休暇の解説をしていきます。

 

 

昨日のブログに記載しましたが,

よほどの事情がない限り,

会社の時季変更権の行使は認められず,

労働者は,原則として,自由に

年次有給休暇を取得することができるのです。

 

 

ということは,会社は,労働者が年次有給休暇を取り得るように,

人員配置をする義務があり,その義務をはたした上でも,

労働者の多数の年次有給休暇の取得が重なるなど,

突発的な理由で,労働者が指定してきた時季に

休暇を与えることが会社の業務を阻害すると

客観的に認められる場合にのみ,時季変更権を行使できるのです。

 

 

単に会社が繁忙であるという理由だけでは,

会社は,時季変更権を行使できないのです。

 

 

 

 

恒常的な人手不足のために,代替要員を確保することが

常に困難な会社では,そもそも時季変更権が

認められないことになります。

 

 

職場が忙しい,人手が足りない,同僚に気兼ねする

といった理由で,労働者は,年次有給休暇の取得を

自粛してしまいがちですが,これらの理由では,

会社は時季変更できないので,自信をもって,

年次有給休暇を取得してもらいたいです。

 

 

次に,労働者が退職する前に,たまっていた

年次有給休暇を消化しようとしたときに,会社は,

時季変更権を行使できるのでしょうか。

 

 

会社が,時季変更権を行使できる前提として,

労働者が指定した日とは別の日に

年次有給休暇を与える必要があります。

 

 

そうなると,労働者が退職する場合,

会社は,別の日に年次有給休暇を与えることができないので,

会社は,時季変更権を行使できないことになります。

 

 

 

 

そのため,会社が,退職する労働者に対して,

引継ぎの仕事があるといって,時季変更権を行使して

年次有給休暇を取得させないことは違法になるのです。

 

 

退職する労働者が,業務の引継ぎのため,

退職日まで働いてしまい,残っている年次有給休暇を

消化できなかった場合,会社に対して,

年次有給休暇の買い取りを請求できるのでしょうか。

 

 

年次有給休暇の買い取りは,法律上の制度としては

認められていないので,会社が買い取りに応じてもらえるなら,

年次有給休暇分の賃金を支払ってくれますが,

会社が買い取りに応じないときには,

年次有給休暇はそのままとなり,

労働者が損をすることになります。

 

 

会社が年次有給休暇の買い取りに応じてくれる

保障はないので,退職するまでに年次有給休暇を

取得してしまい,残さないようにしましょう。

 

 

さて,今年の働き方改革関連法において,

年次有給休暇に関して重要な法改正がありました。

 

 

 

それは,会社は,労働者に対して,

1年間に最低5日,年次有給休暇を取得させることが義務付けられ,

これに違反した場合には,労働者1人あたり,

30万円以下の罰金が科されることになりました。

 

 

厚生労働省の平成29年の「就労条件総合調査」によれば,

労働者は,与えられた年次有給休暇の日数のうち

約半分の日数しか年次有給休暇を取得していないことから,

違反した会社に罰則を科すことで,労働者の年次有給休暇の

取得率向上を図ろうとしているのです。

 

 

このように,会社は,1年間に最低5日,

労働者に年次有給休暇を取得させないと,

罰金が科されるので,労働者は,

周囲に気兼ねすることなく,

堂々と年次有給休暇を取得して,

リフレッシュしてもらいたいです。

 

 

 

 

年次有給休暇を利用して,

しっかり休むことで,

よりよい仕事ができるようになります。

 

 

年次有給休暇の取得は,労働者の権利

であることを忘れないでください。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

年次有給休暇を活用しよう!

会社を退職するにあたり,残っている年次有給休暇を

取得しようとしたところ,会社から,人手不足なので,

年次有給休暇の取得を認めないと言われました。

 

 

 

 

労働者としては,会社が人手不足なので,

年次有給休暇を使ってほしくないのはわかりますが,

退職してしまえば,残った年次有給休暇がもったいなくて,

どうすればいいのか迷いますよね。

 

 

そもそも,会社は,人手不足を理由に

労働者の年次有給休暇の取得を拒むことができるのでしょうか。

 

 

本日は,労働者が疑問に思う年次有給休暇について解説します。

 

 

まず,労働者は,1年間に行使できる

年次有給休暇の日数の範囲内で,

具体的な休暇の始まる日と終わりの日を特定して,

会社に通知するだけで,年次有給休暇を

取得することができるのです。

 

 

 

 

ここで重要なのは,年次有給休暇を取得するのに,

会社の承諾は必要ないのです。

 

 

年次有給休暇は,労働者が自由に利用することが

できるものなので,何の目的で年次有給休暇を

取得するのかを会社に届け出る必要もありません。

 

 

次に,労働者は,いつまでに,年次有給休暇の取得を

会社に伝える必要があるのでしょうか。

 

 

就業規則に,前日の正午まで,前々日の勤務終了時まで

などと規定されている場合には,

その規定に従って会社へ通知すれば問題ありません。

 

 

就業規則に,いつまでに会社に通知すればいいのかが

規定されていなければ,労働者が希望する

年次有給休暇の開始までに,会社に通知すればよいです。

 

 

可能であれば,年次有給休暇の取得を希望する

前日の終業時刻までに,会社に通知するのが望ましいです。

 

 

それでは,会社は,労働者が年次有給休暇

の取得を希望した日ではなく,別の日に

変更させることができるのでしょうか。

 

 

労働基準法39条5項には,

事業の正常な運営を妨げる場合」には,

会社は,労働者が年次有給休暇の取得を

希望した日とは別の日に年次有給休暇を

取得させることができます。

 

 

これを,時季変更権といいます。

 

 

ただし,年次有給休暇の取得は,

労働基準法で認められた労働者の権利であり,

原則として,労働者が希望する日に

年次有給休暇を取得させるべきですので,

会社の時季変更権は,例外的な場合にしか認められません。

 

 

そのため,「事業の正常な運営を妨げる場合」とは,

当該労働者のその日の労働が,

所属する事業場のその日の業務運営にとって必要不可欠であり,

当該労働者がその日に働かないと,

事業場全体の業務が阻害されてしまう場合に限定されます。

 

 

 

 

ようするに,よほどの事情がない限り,

会社の時季変更権の行使は認められず,

労働者は,原則として,自由に

年次有給休暇を取得することができるのです。

 

 

長くなりましたので,続きは,明日以降に記載します。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。