忙しすぎる先生を減らすには

公立学校の教師の働き過ぎが問題となっています。

 

 

 

 

労働判例という,労働事件について注目の判例

を紹介している雑誌にも,公立学校の教師の働き過ぎによる

過労死や精神疾患の発症が公務災害となった判例が,

最近,複数紹介されています。

 

 

https://www.kanazawagoudoulaw.com/tokuda_blog/201709242919.html

 

 

https://www.kanazawagoudoulaw.com/tokuda_blog/201709172981.html

 

 

公立学校で長時間労働が生じている原因の一つに,

「効率の義務教育諸学校等の教育職員の給与に関する特別措置法」

(「給特法」といわれています)の存在があげられます。

 

 

給特法3条2項には,

「教育職員については,時間外勤務手当及び休日勤務手当は,支給しない」と定められています。

 

 

ようするに,教師は,時間外労働や休日働いても,

残業代が支払われないのです。

 

 

残業代が支払われない代りに,教師には,

給料月額の4%に相当する「教職調整額」が支給されます。

 

 

このように,教師には,給料月額の4%に相当する

教職調整額が支給されるものの,残業代が支払われない

ことになったのは,教師の勤務態様に特殊性

があるからと説明されています。

 

 

修学旅行や遠足などの学校外の教育活動,

家庭訪問や学校外の自己研修など教員個人での活動,

夏休み等の長期の学校休業期間

といった教師固有の勤務態様のため,

勤務時間管理が困難であるからという理由です。

 

 

給特法があるため,実務上,

勤務の内容や時間数に関係なく,どれだけ働いても,

教師には残業代が一切支払われない扱いになっています。

 

 

そもそも,労働基準法37条で,

労働者が時間外労働をした場合に,

会社が労働者に残業代を支払わなければならない趣旨は,

会社に残業代の支払というペナルティを与えることで,

長時間労働を抑制して,労働者の健康や

ライフワークバランスを守ることにあります。

 

 

そのため,残業代の支払というペナルティがなければ,

会社は,労働者をどれだけでも働かせて,

業績をあげようとするので,長時間労働が横行してしまいます。

 

 

これを教師にあてはめれば,

教師の雇用主である地方公共団体は,

教師をどれだけ働かせても,残業代の支払

というペナルティが生じないので,

教師がどれだけ働いても,何もしません。

 

 

 

そして,難しい子供の対応,

英語やプログラミングといった新しい授業科目への対応,

部活動の担当,クレーマー保護者への対応など,

教師の仕事が増えているのに,雇い主の地方公共団体は,

残業代を支払わなくていいので,長時間労働を

抑制するための対策をとる動機がうまれません。

 

 

その結果,教師の長時間労働が横行して,

疲労が蓄積して,教師の過労死や精神疾患が増えていく

という負のスパイラルにおちいっていくのです。

 

 

教師が働き過ぎで疲弊すると,

よりよい授業ができなくなり,

子供達が影響を受けるので,

早急に対策が求められます。

 

 

まずは,教師の労働時間の管理をしっかりやる

ことが手っ取り早いと考えます。

 

 

労働者は,自分の労働時間を記録していないと,

仕事が忙しいときにはついつい長時間労働をしがちですが,

自分の労働時間を記録して,その記録を振り返ることで,

働き過ぎを自覚して,労働生産性を向上させる

きっかけを得ることができます。

 

 

その他にも,部活動の指導を外部のスポーツトレーナー

にアウトソーシングする,通知表管理や電話対応をシステム化する

という方法で,教師の労働時間を減らす方法も考えられます。

 

 

医師の働き方と同様に,教師の働き方についても,

教育予算の観点から国民的な議論をして,

忙しすぎる先生を少しでも減らせる取り組みが求められます。

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