大東建託の36協定違反

朝日新聞の報道によれば,大東建託が

36協定で定める上限を超えて労働者に長時間労働をさせたとして,

労働基準監督署から是正勧告を受けたようです。

 

 

 

 

労働基準法32条によれば,1日8時間,1週間で40時間

を超えて労働させてはならないのが原則ですが,

会社と労働組合や労働者の過半数代表が36協定を締結すれば,

36協定で定められた上限時間まで働かせてもよいことになります。

 

 

大東建託では,36協定の上限時間が1ヶ月70時間,

繁忙期は1ヶ月80時間となっていたのですが,

1ヶ月の残業時間が約97時間の営業職の元社員がいたのです。

 

 

 

36協定の上限時間を超えて働かせることは

労働基準法違反になるので,労働基準監督署は是正勧告をしました。

 

 

大東建託が36協定の上限時間を超えて

働かせていた背景に,過酷な労働実態があります。

 

 

20代の営業職の元社員の話しによれば,

契約が獲得できないと上司から

成果が取れていないのに,帰らないよな

と長時間労働を迫られたようです。

 

 

 

 

また,契約がとれない時期が続くと,会議において

無実績で申し訳ありません」と言わされて,

罪悪感を植え付けられたようです。

 

 

上司からの過度なプレッシャーにさらされて,

長時間労働をせざるを得ない状況に追い込まれたのです。

 

 

このような過酷な働き方をさせられたのでは,

長時間労働とプレッシャーによって体調を崩し,

うつ病になるリスクがありますので,

まずは,身近にいる人に相談してください。

 

 

身近な人の支援を受けながら,労働基準監督署へ相談して,

労働環境を改善してもらったり,弁護士などの専門家へ相談して,

未払の残業代請求をすることにつなげます。

 

 

場合によっては,勇気をもって会社を辞めることも必要です。

 

 

長時間労働とプレッシャーで健康を害するよりも,

早目に退職する勇気を持ってください。

 

 

 

一方,会社は,労働者に過酷な労働を強制していると,

労働基準監督署の監督指導があり,マスコミで報道されると,

企業イメージが一気に悪化します。

 

 

労働環境が悪いという評判がたてば,

若者が就職してこなくなり,人手不足に陥り,

業績が悪化するという負のスパイラルに陥る危険があります。

 

 

そのため,どの会社も,労働者が安心して

働ける環境を整備する必要があります。

 

 

なお,先日成立した働き方改革関連法の中の

残業時間の上限規制では,1ヶ月100時間,

2~6ヶ月平均80時間を超えた場合に

会社に罰則が科されるのですが,今回の大東建託の場合,

1ヶ月の残業時間が約97時間だったため,

残業時間の上限規制に違反しないことになります。

 

 

会社が本気で,長時間労働を是正するという

モチベーションを高めるためには,

残業時間の上限規制を労働者のために

低く設定し直すべきだと考えます。

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1 返信
  1. 健二
    健二 says:

    はじめまして、
    求職者のために、自分にできることを考えボランティアで行動している者です。きっかけは、求職活動を行なっていたとき、求人に対しての疑問が発生しました。問題なのは、自分の無知でした。労働関連法が少しでも理解できれば、この求人募集はおかしいと判断ができます。また、就職後でも、有給休暇や残業代、パワハラ、解雇等々の対処に、どこに相談すれば良いのか分かります。そして、一番重要なのは、雇用契約書(労働条件通知書)です。雇用契約書が何時発行されるか確認を取れば、企業が労働基準法を遵守しているか否かの判断がつきます。「知らない。」は、論外です。「試用期間後に発行する。」もアウトです。内定後あるいは初出社日が、原則です。
    私が住んでいる労働局に対し、ハローワークでの様々な疑問点を調査報告し、その結果として、求人受付の際、年齢制限確認の徹底や紹介状を発行する際、雇用契約書のモデル書式を添付するようになりました(4年前から)。また、県の担当部署に対し、県ができることを要望し、求職者支援センターが開設、労働問題Q&Aが作成され、合同就職面接会等で来場者に渡すようになりました。近々では、県は地方版ハローワークの開設。労働局には、求職者イノベーションプログラムを提案し、ハローワークと労働基準監督署の連携により、「知っておきたい労働法セミナー」が開催(現在進行形)。そして、改正職業安定法の問題点を指摘した要望書を提出。ハローワークと労基の会議をその提出した要望書を議題として議論していただける予定です。誰かが声を上げ、行動することが必要であると考えています。

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