富田林警察署の懲戒処分を考える

富田林警察署において勾留中であった,

樋田淳也被告人が面会室のアクリル板を押し破って

逃走した事件について,大阪府警は

富田林警察署の職員に対して,懲戒処分を課しました。

 

 

 

 

まず,留置担当の総務課警部補と巡査部長が6ヶ月間

給料の10分の1が減額される減給の懲戒処分となりました。

 

 

大阪府警では,被疑者は被告人が居室から面会室へ出入りする場合,

2人以上で対応しなければならない内規になっていたのですが,

この総務課警部補と巡査部長は,内規に違反して,

樋田被告人の面会の際に,1人で対応していたようです。

 

 

さらに,留置場に持ち込みが禁止されているスマホで

野球ニュースをチェックしていたようです。

 

 

このように,ずさんな留置管理がされたとして,

今回の懲戒処分で一番重い6ヶ月間の減給となりました。

 

 

 

 

次に重い懲戒処分を課されたのは,富田林警察署長でした。

 

 

署長は,留置管理についての業務指導が不十分であったことを

理由に3ヶ月間給料から10分の1が減額される

減給の懲戒処分を課されました。

 

 

その他にも,留置施設の点検を怠った等として,

戒告の懲戒処分を課された職員もいました。

 

 

労働者に懲戒処分が課される場合,

労働者には懲戒される理由があることが多いので,

その懲戒理由に対して,その懲戒処分が重すぎないかが

重要な検討事項になります。

 

 

労働者の懲戒理由がささいなものであるにもかかわらず,

重い懲戒処分が課されると,後から裁判で懲戒処分の効力が

争われて,懲戒処分が重すぎるとして,

懲戒処分が無効になる可能性があるのです。

 

 

富田林警察署の事件の場合,樋田被告人が約2ヶ月半ほど逃走して,

多くの人達が不安にさせられたという結果は重大ですが,他方で,

今回懲戒処分を課された警察職員の方々に,

過去の懲戒処分歴がないのであれば,

いきなり重い懲戒処分を課すと

懲戒処分が無効になるリスクがあるので,

減給と戒告という懲戒処分の選択は妥当だと考えます。

 

 

減給の懲戒処分で,1ヶ月の給料から減額できる金額は,

労働基準法91条において,最大で賃金の10分の1まで

と規制されているので,富田林警察署の懲戒処分では,

減給10分の1となったのです。

 

 

また,戒告とは,将来を戒めるのみで

始末書の提出を求めないという最も軽い懲戒処分です。

 

 

なお,弁護人の面会のときの警察署の施設の状況は,

それぞれの警察署で様々であり,

面会室のドアを開けるとブザーがなる施設や,

内鍵がかかっているので,面会終了の連絡を

警察官にしないと外に出れない施設などがあります。

 

 

 

 

中には,富田林警察署と同じように,

弁護人が警察官に何も告げずに外に出られる警察署もあります。

 

 

そのため,富田林警察署の面会室は,

アクリル板が外れやすかったことや

ブザーの電源を切っていたこと以外は,

他の警察署とそれほど変わらないので,

他の警察署でも同じような事件が起きていた

可能性はあっと考えられます。

 

 

他の警察署の留置管理の実務との公平も考慮すると,

富田林警察署の懲戒処分で,最も重い懲戒処分が減給となったのは

妥当なのだと思います。

 

 

このように,懲戒処分は,懲戒理由との関係で

重すぎないかをよく検討する必要があるのです。

 

 

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