無期転換ルールを避けるための雇止めは認められません

大手予備校の河合塾の福岡校などで

29年間講師として働いてきた非正規雇用労働者が,

今年の3月末に雇止めされました。

 

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181024-00000005-mai-soci

 

 

この非正規雇用労働者は,雇止めに納得できず,

福岡労働局に対して,あっせんの申立を行いました。

 

 

そして,福岡労働局は,河合塾に対して,

無期転換ルールを意図的に避けることを目的として,

無期転換申込権が発生する前に雇止めをすることは,

労働契約法の趣旨に照らして望ましいものではありませんので,

慎重な対応をお願いします。

という内容の文書を交付して,助言しました。

 

 

労働局が雇止めが無効になる可能性があると指摘したことは画期的です。

 

 

本日は,河合塾の雇止めのケースから

無期転換ルールについて解説します。

 

 

 

 

まず,労働契約の契約期間が半年や1年で区切られている,

契約社員や嘱託社員の労働契約を有期労働契約といいます。

 

 

有期労働契約は,契約期間が満了すると,

会社が引き続き有期労働契約を更新してくれれば,

働き続けることができるのですが,会社から,

更新しませんと言われてしまえば,有期労働契約は終了し,

非正規雇用労働者は,職を失うことになります。

 

 

このように,有期労働契約が期間満了で終了することを

雇止めといいます。

 

 

非正規雇用労働者は,契約期間が満了すると

職を失うリスクがあるので,不安定な地位にあるのです。

 

 

 

 

もっとも,有期労働契約が何度も更新されていて

正社員と同視できる場合や,有期労働契約が更新されると

期待することに合理的な理由がある場合には,

雇止めに理由がなかったりすれば,

有期労働契約が更新されることになります。

 

 

年越し派遣村のあたりから,

非正規雇用労働者の地位が不安定なことに批判が生じて,

労働契約法が改正され,非正規雇用労働者が

正社員になれる無期転換ルールが導入されました。

 

 

有期労働契約が2回以上更新されて,

契約期間が通算5年を超えれば,非正規雇用労働者は,

正社員になるための申込みができるのです。

 

 

 

 

この無期転換ルールは,2013年4月1日以降に

締結された有期労働契約に適用されるので,

ちょうど今年から5年が経過することになります。

 

 

会社としては,雇用の調整弁として,

非正規雇用労働者を利用したく,無期転換されたくないので,

5年が経過する前に会社が雇止めをしてくることが懸念されていました。

 

 

そして,河合塾のように,

5年が経過する前に雇止めをする企業がでてきたのです。

 

 

しかし,非正規雇用労働者の雇用の安定を確保するために,

無期転換ルールが導入されたのですから,

これを意図的に免れるための雇止めが許されてはなりません。

 

 

河合塾のケースでは,非正規雇用労働者について,

前年からの注意・指導にもかかわらず

授業アンケート結果が改善されなかったためという,

もっともらしい雇止めの理由が河合塾から主張されましたが,

非正規雇用労働者は,雇止めされるまで河合塾から

注意や指導がなかったと主張しています。

 

 

河合塾は,無期転換ルールを避けるという本当の理由を隠して,

後付の理由として授業アンケートの件を持ち出した可能性があるのです。

 

 

そのため,福岡労働局は,河合塾に対して,

文書で助言・指導したのだと考えられます。

 

 

労働局の助言・指導に法的な強制力はないのですが,

裁判になれば,河合塾の雇止めが無効になる可能性があると思います。

 

 

今回の福岡労働局の対応が,雇止めに対する

歯止めになることを期待したいです。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

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