契約社員が会社から雇止めに合意するように迫られたら・・・

契約社員が会社との間で,

何度も契約を更新してきたにもかかわらず,

ある日突然,契約を更新してもらえず,

雇止めにあいました。

 

 

契約社員としては,今後も継続して

働き続けることができると期待して,

仕事をがんばってきたのですが,

会社から雇止めされて,

その期待を裏切られてしまい,

納得できません。

 

 

契約社員の労働契約は,有期労働契約と言い,

契約期間が満了すれば,会社が更新しない限り,

終了してしまい,契約社員は職を失ってしまうのです。

 

 

 

 

本日は,雇止めに納得できない契約社員が立ち上がり,

雇止めは無効であるという判決を勝ち取った

エヌ・ティ・ティマーケティングアクト事件を紹介します

(岐阜地裁平成29年12月25日判決・労働判例1185号38頁)。

 

 

被告会社は,経営方針の転換に伴い,

今後の活動が減少する仕事を担当していた契約社員

との労働契約を終了することにしました。

 

 

被告会社は,契約社員を雇止めするにあたり,

雇止めに合意した契約社員に対してのみ,

再就職の斡旋や生活支援金を支給することにしました。

 

 

原告らは,再就職の斡旋や生活支援金の支給が

労働契約を更新しないことを条件として実施されていることから,

雇止めに納得できず,合意書を提出しませんでした。

 

 

そうしたところ,被告会社が原告らを雇止めしたことから,

原告らは,雇止めを争うために裁判を起こしました。

 

 

雇止めが無効になるためには,2つのハードルを越える必要があります。

 

 

 

 

1つ目のハードルは,

契約社員が有期労働契約が更新されると期待する

ことについて合理的な理由があったか,というものです。

 

 

このハードルを越えるためには,

有期労働契約の更新回数や,

契約社員の仕事内容,

会社からの雇用の継続を期待させる言動,

更新手続の状況などの要素を検討する必要があります。

 

 

本件事件では,最長で4年11ヶ月間に51回更新されていた

原告がおり,原告らの仕事は期間的な業務であり,

会社からは,健康で成績がよければ

いつまでも働くことができると聞いており,

労働契約書には,「更新の可能性」について

「有」と明記されていました。

 

 

これらの事情を総合考慮して,原告らには,

有期労働契約が更新されると期待することについて

合理的な理由があったと認められました。

 

 

2つ目のハードルは,解雇と同じように,

雇止めについて,客観的合理的な理由があり,

社会通念上相当といえるか,というものです。

 

 

本件事件では,雇止めが経営方針の転換

に伴って行われたものなので,

整理解雇(リストラ)と同じように,

①人員削減の必要性,

②雇止めの回避努力,

③人選の合理性,

④手続の相当性

の各事情を総合考慮して判断されました。

 

 

 

 

①人員削減の必要性について,

原告ら契約社員が行っていた業務がなくなることで,

具体的にどの程度の人員削減が必要であったか不明であり,

その後,人員が増加していることから,

雇止めの対象者の人数に見合うほどの

人員削減の必要性があることに疑問が提示されました。

 

 

②雇止め回避努力について,

雇止めに合意しなければ,

再就職の斡旋や生活支援金の支給を受けられない

という手法は,雇止め回避の手段として

不十分であると判断されました。

 

 

③人選の合理性と④手続の相当性には

問題はありませんでしたが,

①と②が不十分であったため,

本件雇止めは無効になりました。

 

 

雇止めは,解雇と比較して,

ハードルが1つ増える関係で,

労働者が争いにくいのですが,

労働者が雇止めで勝った事例として貴重です。

 

 

労働者は,会社から雇止めに合意することを求められても,

雇止めに納得できないのであれば,雇止めに合意してはいけないのです。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

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