働き方改革関連法に盛り込まれた毒

読者の皆様,新年あけましておめでとうございます。

 

 

今年も,働く人にとって役に立つ労働に関する情報を

発信していきますので,どうぞよろしくお願い致します。

 

 

さて,今年の4月から,いよいよ

働き方改革関連法が施行されます。

 

 

残業時間の罰則付き上限規制,同一労働同一賃金,

年休取得の罰則付きの義務化など,労働者を保護するための,

まさに「働き方改革」と称するにふさわしい制度もありますが,

働き方改革関連法には,労働者にとって

毒となる制度も盛り込まれています。

 

 

 

 

その毒といえるものとは,

高度プロフェッショナル制度です(以下,「高プロ」といいます)。

 

 

高プロとは,高収入の専門職の労働者に対して,

労働基準法で定められている労働時間規制が適用されなくなり,

どれだけ働いても,会社は,

残業代を支払わなくてもいいことになってしまう制度です。

 

 

この高プロについての省令案や指針案について,

昨年12月に公表されましたので,

本日は,この点について解説します。

 

 

高プロの対象となる労働者は,年収1075万円以上の

次の5つの業務に従事している者です。

 

 

 

 

①金融商品の開発

②投資判断に基づく資産運用や有価証券の売買(ディーラーなど)

③相場の動向などに基づく助言(アナリスト)

④顧客の事業運営に関する調査分析や助言(経営コンサルタント)

⑤新商品の研究開発

 

 

ここで注意しなければならないのは,

単にこれら5つの業務の名称がついているだけで

高プロが適用されることにはならず,

実質的かつ具体的に労働時間規制になじまない

業務に限定されています。

 

 

さらに,高プロの対象業務は,「当該業務に従事する時間に関し

使用者から具体的な指示を受けて行うものではないこと

という要件を満たす必要があります。

 

 

具体的には,次のような指示がされていると,

高プロは適用されないことになります。

 

 

①出勤時間の指定等始業・終業時間や深夜・休日労働など

労働時間に関する業務命令や指示

②労働者の働く時間帯の選択や時間配分に関する

裁量を失わせるような成果・業務量の要求や納期・期限の設定

③特定の日時を指定して会議に出席することを一方的に義務付けること

④作業工程,作業手順などの日々のスケジュールに関する指示

 

 

 

 

このように,高プロの対象となる労働者は,

かなり限定されていますので,来年4月以降,

会社から高プロの適用の打診を受けた場合,

本当に自分の仕事が高プロの対象業務なのかを

慎重に確認することが必要です。

 

 

そして,高プロを導入するためには,

適用される労働者個人の同意と労使委員会の決議

という手続が必要になります。

 

 

労働者は,高プロの適用を拒否しても,

そのことを理由に給料を減額されるなどの

不利益な取扱はされませんので,

高プロの適用に同意しないようにしましょう。

 

 

仮に,同意をしたとしても,後から撤回できますし,

撤回をしたことで不利益な取扱はされません。

 

 

また,労使委員会で決議されなければ

高プロは導入できませんので,労働組合は,

高プロが導入されないように必死で

抵抗するようにしてください。

 

 

労働者の同意も労使委員会の決議も,

会社からの十分な説明や情報開示がされることが

前提となっていますので,会社からの十分な説明がない場合にも

高プロが無効になる可能性があります。

 

 

さらに,会社に義務付けられている1年間に104日以上,

かつ,4週間で4日以上の休日確保が守られていない場合にも,

高プロは無効になる可能性があります。

 

 

このように導入するためのハードルがかなり高いので,

おそらく地方の中小企業で,

これらの要件を全て満たして適法に運用できる会社は

ほとんどないと考えられます。

 

 

働き方改革関連法に盛り込まれた毒である高プロですが,

まずは会社に高プロを導入させない,

導入されたとしても無効になる点はないかを

詳細に検討していくことが重要になります。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

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