地域おこし協力隊の解任処分

IT技術の発達により,都会の人が地方へ移住し,

地方で働きながら,地方の魅力を発信する動きがあります。

 

 

 

 

都会の人の価値観が地方に加わることで,

地方の魅力が再発見され,それが情報発信されて,

地方に人が来るようになり,地方が活性化するのだと思います。

 

 

このように,都会の人と地方に来てもらう制度に,

地域おこし協力隊」というものがあります。

 

 

地域おこし協力隊」とは,人口減少や高齢化などの

進行が著しい地方において,地域外の人財を積極的に受け入れ,

地域協力活動を行ってもらい,その定住・定着を図ることで,

意欲ある都市住民のニーズに答えながら,

地域力の維持・強化を図っていくことを目的とした制度です。

https://www.iju-join.jp/chiikiokoshi/about.htmlより)

 

 

地域おこし協力隊は,1年から3年の期間,

地方自治体の委嘱を受けて,活動する公務員です。

 

 

それでは,任用期間の途中で,

地域おこし協力隊が解任処分を受けた場合,

どのような対応をすることが考えられるでしょうか。

 

 

本日は,地域おこし協力隊が任用期間の途中で

解任されたことが争われた猿払村・村長事件を紹介します

(旭川地裁平成30年5月8日判決・労働判例1188号23頁)。

 

 

この事件では,地域おこし協力隊である原告が,

1年間の任用期間が満了し,もう1年任用が延長されたのですが,

延長が決まった2週間後に,解任処分をされました。

 

 

 

 

解任処分の理由は,守秘義務違反,

勤務時間中に無断で帰宅した怠業行為,

企画書を提出しないなどの勤務成績不良,

身だしなみが不適切,

女性職員に対する不適切な対応などです。

 

 

これらの解任処分に納得のいかない原告は,

解任処分の取消を求めて裁判を起こしました。

 

 

結論としては,原告の請求が認められて,

解任処分は取り消されました。

 

 

その理由は,被告猿払村が主張した解任理由は,

そのほとんどが課長の伝聞に基づくものであり,

被告関係者が直接確認したものではないので,

被告が主張する解任理由の事実関係を

認めることができなかったからです。

 

 

伝聞とは,ようするにまた聞きのことです。

 

 

 

 

ある人が自分が直接体験したことを話すのであれば,

その話は信用されやすいのですが,また聞きの場合,

人間の知覚,記憶,表現の各過程において,

誤りが入り込むおそれがあるため,

また聞きに基づく人の話しは信用されにくいのです。

 

 

被告は,伝聞情報を鵜呑みにして,

裏付けの調査をしておらず,

延長が決まった2週間後に解任処分をするなど,

非常に対応がずさんだったこともあり,

裁判所は,原告の主張を認めたのだと思います。

 

 

公務員が任期の途中で解任されるのは,

よほどのことがない限りできないはずですので,

解任理由を確認し,解任理由に納得がいかない場合には,

解任処分の取消を求めていくことになります。

 

 

地域おこし協力隊という珍しい立場の公務員の労働問題ですので,

紹介させていただきました。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

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