通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者に対する差別的取扱いの禁止

9月21日に,ある労働組合から,

同一労働同一賃金についての勉強会の講師の依頼を受けましたので,

同一労働同一賃金について勉強をしています。

 

 

同一労働同一賃金に関連して,働き方改革において,

パートタイム労働法が,パートタイム有期雇用労働法に改正され,

その9条において,通常の労働者と同視すべき

短時間・有期雇用労働者に対する

差別的取扱いの禁止が規定されております。

 

 

 

本日は,この差別的取扱いの禁止について解説します。

 

 

まず,①業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度,

②職務の内容及び配置の変更の範囲が,

通常の労働者と短時間・有期雇用労働者との間で同一である場合,

会社は,短時間・有期雇用労働者であることを理由として,

基本給,賞与,その他の待遇のそれぞれについて,

差別的取扱いをしてはなりません。

 

 

①業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度については,

まず,業務の種類が同一であるかを確認し,

同一である場合には,次に,

通常の労働者と短時間・有期雇用労働者の中核的業務を抽出し,

中核的業務が同一であれば,両者の責任の程度が

著しく異なっていないかを確認します。

 

 

責任の程度とは,具体的には,授権されている権限の範囲

(単独で契約締結可能な金額の範囲,管理する部下の数,

決裁権限の範囲等),業務の成果について求められる役割,

トラブル発生時や臨時・緊急時に求められる対応の程度,

ノルマなどの成果への期待の程度などをいいます。

 

 

②職務の内容及び配置の変更の範囲とは,

人事異動(転勤,昇進を含むいわゆる人事異動や本人の役割の変化等)

の有無や範囲のことです。

 

 

まずは,転勤の有無が同じかを確認し,

通常の労働者にも,短時間・有期雇用労働者にも転勤がある場合には,

転勤により異動が予定されている範囲

(全国転勤か,エリア限定かなど)を比較します。

 

 

通常の労働者にも,短時間・有期雇用労働者にも転勤がないか,

あってもその範囲が実質的に同じであれば,

事業所内における職務の内容の変更の態様を比較することになります。

 

 

以上について,ニヤクコーポレーション事件の

大分地裁平成25年12月10日判決(労働判例1090号44頁)は,

差別的取扱いを認めました。

 

 

この事件では,原告の短時間労働者の職務内容が

タンクローリーのドライバーということで正社員と同一であり,

転勤や出向について,短時間労働者にはなく,正社員でも,

年間数名と少なく,九州管内では2002年以降

実施されていませんでした。

 

 

また,チーフ等の重要な役職への任命について,

短時間労働者であってもチーフ等の役職に就くことがありました。

 

 

そのため,上記①と②について,

原告の短時間労働者と正社員とでは同一であると判断されました。

 

 

 

そして,原告の短時間労働者と正社員との間で,

賞与について年間40万円の差があること,

週休日の日数が,正社員は年間39日であるのに対して,

短時間労働者は年間6日であること,

正社員には退職金が支給されるのに,

短時間労働者には退職金が支給されないことが,

差別的取扱いに該当しました。

 

 

差別的取扱いに該当すれば,パートタイム有期雇用労働法9条に

違反することになり,不法行為を構成することになるので,

会社は,損害賠償責任を負うことになるのです。

 

 

正社員と同じ仕事をしているのに,

短時間・有期雇用労働者であるという理由だけで,

労働条件に格差を設けられている場合には,

パートタイム有期雇用労働法9条の差別的取扱いに

該当する可能性がありますので,是正を求めていくべきです。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

電話番号076-221-4111
お問合せはこちら
0 返信

返信を残す

Want to join the discussion?
Feel free to contribute!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です