セブンイレブンの残業代未払いの問題から残業代の計算を解説します

1 セブンイレブンの残業代未払い問題

 

 

コンビニ大手のセブンイレブンが長年,

アルバイトの残業代を未払いにしていたのを明らかにしました。

 

 

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53182840Q9A211C1TJ2000/

 

 

セブンイレブンの本部にデータが残っている

2012年3月以降だけで,

約3万人のアルバイトに対して,

遅延損害金を含めた未払い残業代の合計額は

4億9000万円になるようです。

 

 

 

未払い残業代の合計額は4億9000万円と巨額ですが,

1人当たりの金額は1万6000円になり,

そこまで大きな金額となってはいません。

 

 

もっとも,アルバイトに対する残業代の未払いは,

1978年から続いていたようですので,

本当はもっと大きな金額の残業代が

未払いのまま放置されていたようです。

 

 

セブンイレブンの残業代の未払いの原因は,

セブンイレブンの加盟店が雇用しているアルバイトの給与計算を

本部が代行していたところ,本部が

,残業代の計算を間違えていたようです。

 

 

本日は,セブンイレブンの残業代の計算の問題点について解説します。

 

 

2 残業代の計算

 

 

まず,残業代は次のとおり,計算します。

 

 

残業代=時間外労働等の時間×賃金単価×割増率

 

 

時間外労働等の時間については,

タイムカードなどの証拠をもとに,

1ヶ月当たりの残業時間を算出します。

 

 

賃金単価については次のとおり,計算します。

 

 

賃金単価=算定基礎賃金÷所定労働時間数

 

 

月給制の場合,月平均所定労働時間数は次のとおり,計算します。

 

 

月平均所定労働時間数 

=年間の所定労働日数×1日の所定労働時間数÷12ヶ月

 

 

3 算定基礎賃金とは

 

 

ここで,賃金単価を算出するための算定基礎賃金について説明します。

 

 

算定基礎賃金ですが,給料明細に記載されている賃金が

全て対象になるわけではありません。

 

 

 

給料明細に記載されている,各賃金の項目から,

①家族手当,

②通勤手当,

③別居手当,

④子女教育手当,

⑤住宅手当,

⑥臨時に支払われた賃金(結婚手当など),

⑦1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)

を除外して,算定基礎賃金を計算します。

 

 

また,適法な固定残業代であれば,

既に残業代が支払われているとして,

算定基礎賃金に含まれませんが,

違法な固定残業代は,算定基礎賃金に含まれます。

 

 

①~⑦の除外賃金と適法な固定残業代を除いた賃金が

算定基礎賃金になるのです。

 

 

例えば,皆勤手当は,その月に一度も欠勤しなければ

支給される賃金ですので,①~⑦の除外賃金ではないですし,

固定残業代でもないので,算定基礎賃金に含まれます。

 

 

4 割増率

 

 

次に,割増率について説明します。

 

 

1日8時間を超える時間外労働,

1週間40時間を超える時間外労働には,

残業代が支払われますが,

その割増率は125%となります。

 

 

また,22時から5時までの深夜労働の場合,

この時間帯が時間外労働ではなく,

通常の8時間勤務の時間帯であれば,

その割増率は25%になります。

 

 

5 セブンイレブンの残業代計算ミス

 

 

さて,マスコミ報道によりますと,セブンイレブンは,

欠勤せずに働いたアルバイトに対して,

店長の判断で支払える皆勤手当のような手当があるようで,

この手当について,125%の割増率を適用しなければならないのに,

間違えて25%の割増率を適用したようです。

 

 

皆勤手当であれば,算定基礎賃金に含まれるので,

皆勤手当や基本給などから賃金単価を計算して,

125%の割増率をかけないといけません。

 

 

 

このような計算間違いにより,セブンイレブンは,

遅延損害金を含めて合計4億9000万円の

残業代を未払いにしていたのです。

 

 

6 消滅時効

 

 

ところで,未払い残業代請求権は,2年の消滅時効があるので,

セブンイレブンがこの2年の消滅時効を主張すれば,

セブンイレブンが法的に支払わなければならない

未払い残業代はもっと少なくなると考えられます。

 

 

セブンイレブンが道義的に,消滅時効を主張せずに,

合計4億9000万円の未払い残業代を支払うのか注目したいです。

 

 

なお,民法の改正により,貸金の返還請求権などの債権の消滅時効は

原則5年になりますので,残業代請求権などの賃金債権の消滅時効が

2年のままなのは,不公正だと,

このセブンイレブンの未払い残業代の問題を見て,改めて思いました。

 

 

民法改正にあわせて,賃金債権の消滅時効を5年にすべきです。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

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