トラックドライバーの過労死事件~連続勤務が続くと過労死のリスクが高まる~

1 武漢の医師が過労死

 

 

中国の武漢で新型コロナウイルスが拡大している問題で,

現場の医療機関が人手不足のために疲弊しているようです。

 

 

そのような状況において,中国の医師が働きすぎによって

過労死するという痛ましい事件が発生してしまいました。

 

 

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200205/k10012272911000.html

 

 

過労死したのは27歳の男性医師で,報道によると

1月25日から2月3日まで連続勤務していたようです。

 

 

 

休日をとらないことによって,体が休まることがなく,

疲労が蓄積したものと考えられます。

 

 

新型コロナウイルスの感染者が拡大していることから,

武漢の医療機関で働く方々の過労死予防が必要になってきています。

 

 

2 ヤマト運輸のセールスドライバーの過労死事件

 

 

さて,本日は,最近の過労死についての裁判例を紹介します。

 

 

国・熊本労基署長(ヤマト運輸)事件の

熊本地裁令和元年6月26日判決です

(労働判例1210号19頁)。

 

 

この事件では,ヤマト運輸のセールスドライバーが

長時間労働が原因でくも膜下出血を発症して

死亡したのかが争われました。

 

3 過労死の労災認定基準

 

 

働き過ぎると脳や心臓にある血管へのダメージが積み重なって,

脳血管疾患や虚血性心疾患などの病気が発症して,

死亡するのが過労死と言われています。

 

 

過労死については,厚生労働省が労災認定基準を定めており,

脳血管疾患や虚血性心疾患などの対象疾病を

発症する前の1ヶ月間におおむね100時間を超える時間外労働,

または,対象疾病を発症する前の2ヶ月間ないし6ヶ月間にわたって

おおむね月80時間を超える時間外労働をしていた場合に,

労災と認定されます。

 

 

 

この労災認定基準は,厚生労働省の通達なのですが,

裁判所においても,判断基準として,

十分に考慮される傾向にあります。

 

 

本件事件においては,セールスドライバーの始業時刻は

午前8時だったのですが,荷物の積込作業をしたり,

釣銭準備金を用意するために被災労働者は早目に出勤していました。

 

 

また,お昼の休憩時間は1時間とされていましたが,

セールスドライバーは,お昼の休憩時間に,

荷物の積込作業をしたり,伝票確認の仕事を行っていたので,

お昼の休憩時間のうち,44分は労働時間と認定されました。

 

 

さらに,終業時刻は午後9時だったのですが,

セールスドライバーは支店に戻った後も,

集荷物や配達できなかった荷物をトラックから降ろして,

常温や冷凍の別にボックスに戻したり,

集荷代金を入金したりしていました。

 

 

そのため,被災労働者の発症前1ヶ月間の時間外労働は

102時間となり,6日連続の勤務があり,

発症前1週間の時間外労働が41時間と長時間労働になっていることから,

長時間労働とくも膜下出血の発症の関連性は強いと判断されました。

 

 

その結果,長時間労働によってくも膜下出血が発症したと認定されて,

労災と認められたのです。

 

 

トラックドライバーは,長時間の運転業務を伴う

配達・集荷作業といった肉体的・精神的負担が多い業務なので,

過労死にはくれぐれも注意する必要があります。

 

 

この裁判例でも指摘されているように,

休みなく連続で働き続けると過労死するリスクが高まるので,

意識して休みをとることが重要です。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

労働災害特設サイト
電話番号076-221-4111
お問合せはこちら
0 返信

返信を残す

Want to join the discussion?
Feel free to contribute!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です