緊急事態宣言による協力要請を受けていない業種での休業の場合に休業手当は支払われるのか

1 緊急事態宣言がだされました

 

 

ついに昨日,新型コロナ特措法に基づき,

東京都,神奈川県,埼玉県,千葉県,大阪府,兵庫県,福岡県

を対象に緊急事態宣言がだされました。

 

 

 

緊急事態宣言がだされたことによって,7つの対象地域の知事は,

新型コロナウイルス感染症の蔓延防止措置として,

人が密集するカラオケ店,ナイトクラブなどの娯楽施設に対して,

使用やイベントの制限の協力を要請できます。

 

 

この協力要請は,法的な根拠があるものの,

従わなかったからといって,罰則があるわけではないので,

協力要請を求められた施設の管理者は,これに応じないことができます。

 

 

しかし,協力要請に応じなかった場合,公表されますので,

K-1の二の舞になりたくないので,事実上,

協力要請には応じざるをえなくなります。

 

 

2 緊急事態宣言後の協力要請に応じた場合の休業

 

 

そのため,協力要請に応じて娯楽施設などが休業した場合,

使用者の責めに帰すべき事由に該当しないと考えられ,

休業期間中,労働者に対して,

給料の6割にあたる休業手当を支払わなくても,

労働基準法違反にはならない可能性があります。

 

 

もっとも,昨日,加藤厚生労働大臣が,

在宅勤務などで労働者を働かせることが可能か,

他に就かせる仕事があるかも含めて,

不可抗力によるものかを総合的に判断し,一律に,

休業手当の支払義務がなくなるものではないとコメントしました。

 

 

https://this.kiji.is/620083427313910881

 

 

休業による不利益を被る労働者への補償をしなければならない一方で,

休業によるダメージを受ける会社の経営のことを考えると,

判断が難しいです。

 

 

3 緊急事態宣言後の協力要請の対象とならない業種の休業

 

 

それでは,上記の協力要請の対象とはならない飲食店などが,

緊急事態宣言による国民の自粛によって,客が激減したり,

労働者が通勤できなくなって,休業した場合,

労働者は,飲食店などに休業手当を請求できるのでしょうか。

 

 

例えば,ケンタッキーフライドチキンやタリーズコーヒーでは,

緊急事態宣言の対象地域の店舗を休業させたり,

営業時間を短縮させるようです。

 

 

この場合は,緊急事態宣言による協力要請を受けておらず,

会社の自主的な判断で休業することになるので,

会社には休業手当の支払義務が生じる可能性があります。

 

 

休業手当は,労働者の最低生活を保障するためのものなので,

休業手当の支払義務の要件である「使用者の責めに帰すべき事由」は,

広く解釈されており,天災地変などの

不可抗力に該当しない限りはそれに含まれます。

 

 

不可抗力といえるかは,外部起因性と防止不可能性の2つの要件

を満たした上で,経営上の障害の原因が使用者の支配領域から

近いところで発生しており,労働者の最低生活の保障の観点から,

使用者に平均賃金の6割の程度で保障をさせた方がよいと認められれば,

休業手当の支払義務があるのです。

 

 

 

「使用者の責めに帰すべき事由」の具体例として,

機械の検査,原料の不足,流通機構の不円滑による資材入手困難,

監督官庁による操業停止,親会社の経営難のための資金・資材の獲得困難

などが挙げられます。

 

 

確かに,新型コロナウイルスによる客数の減少や

労働者の通勤困難などの要因はあるものの,

緊急事態宣言による協力要請を受けていない業種の会社が

休業する場合には,最終的には裁判所の判断に委ねられますが,

休業手当の支払義務が認められる可能性があると考えます。

 

 

会社としては,雇用調整助成金などを利用して,

休業してもなんとか労働者に対して,

休業手当を支払ってもらいたいです。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

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