新型コロナウイルスに関連する過重労働(過労死・過労自殺)

1 ニューヨークの医師の過労自殺

 

 

アメリカのニューヨーク市の病院の緊急救命室で

新型コロナウイルスの患者の治療にあたり,

自らも新型コロナウイルスに感染した女性医師が自殺したようです。

 

 

 https://www.asahi.com/articles/ASN4Y4WQNN4YUHBI00K.html

 

 

この女性医師が働いていた病院の緊急救命室では,

1日18時間の長時間労働があり,

救急患者を受け付けれないほどに忙しくなっていたようです。

 

 

おそらく日本でも,新型コロナウイルスの患者に対応している病院では,

医療従事者は,新型コロナウイルスに感染する恐怖とたたかいながら,

過酷な労働をしていると考えられます。

 

 

 

本日は,新型コロナウイルスに関連する

過労死や過労自殺について検討します。

 

 

2 過労死

 

 

働き過ぎによる過重な負荷によって

脳血管疾患若しくは心臓疾患を原因とする死亡を過労死といいます。

 

 

長時間労働や過酷な仕事をすることで,

自然経過を超えたダメージが脳や心臓にある血管に積み重なり,

脳・心臓疾患を発症して死に至るのです。

 

 

この過労死の労災認定基準では,

発症前の1ヶ月間におおむね100時間を超える時間外労働,または,

発症前2ヶ月間ないし6ヶ月間にわたっておおむね月80時間を超える

時間外労働,のいずれかの実態が認められれば,労災と認定されます。

 

 

3 過労自殺

 

 

次に,長時間労働やパワハラなどの

業務上の心理的負荷(ストレス)で精神疾患を発症してしてしまい,

最悪の場合には自殺してしまうことがあります。

 

 

これを過労自殺といいます。

 

 

過労自殺の場合でも,被災労働者が仕事が原因で

精神疾患を発症したことが明らかになれば,原則として,

その精神疾患が原因で自殺したものと推定され,労災認定がされます。

 

 

過労自殺が労災と認定されるためには,

精神疾患の発病前おおむね6ヶ月間に業務による

強い心理的負荷が認められる必要があります。

 

 

 

発病前6ヶ月間に1ヶ月100時間程度の時間外労働があり,

「心理的負荷による精神障害の認定基準」の

「業務による心理的負荷評価表」に記載されている出来事を体験し,

その心理的負荷の強度が「中」と評価されれば,労災と認定されます。

 

 

例えば,医療従事者等が,新型コロナウイルス感染症の患者の

対応をして,1ヶ月に100時間の時間外労働をした場合,

長時間労働に加えて,新型コロナウイルスの感染拡大を

防止しなければならないという,

常時緊張を強いられる状態で働くことになりますので,

心理的負荷の強度は,「強」と評価されると思います。

 

 

もともと,医療従事者等の時間外労働は長時間に及んでいた上に,

新型コロナウイルスの対応で,さらに長時間労働となり,

感染拡大の防止という新たな精神的な緊張も加わり,

かなりの過重労働を強いられている可能性があります。

 

 

そのため,医療従事者等が新型コロナウイルス感染症の患者の

対応をして,過重労働に陥っている場合には,

過労死や過労自殺にならないように,

医療機関は配慮することが求められます。

 

 

マスクなどの個人用防護具が十分に支給され,

長時間労働にならない配慮が重要になります。

 

 

4 コロナ労災・過重労働110番を実施します

 

 

過労死弁護団全国連絡会が主催する,

新型コロナウイルスに関連する過重労働や労災補償についての

全国一斉の電話相談が実施されることになりました。

 

 

石川県では,2020年5月8日金曜日10時から15時までの

時間帯で私が対応します。

 

 

この日時に,私が所属している金沢合同法律事務所の

電話076-221-4111にお電話ください。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

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