新型コロナウイルスの感染拡大で増加している希望退職の募集への対処の仕方

1 希望退職の募集が急増しています

 

 

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で,

上場企業で希望退職を募集するケースが増えているようです。

 

 

https://news.yahoo.co.jp/articles/5e964800d79363a8e833695246fc8b7bb148bad4

 

 

希望退職の募集人数は7,000人を超えているようで,

人減らしの波は,非正規雇用労働者だけでなく,

正社員に対しても広がってきています。

 

 

 

希望退職を募集している企業は,

外食,小売,アパレルといった業種の企業でして,

新型コロナウイルス感染拡大の影響が大きかった業種で,

人減らしの動きが加速しているといえます。

 

 

自分が勤務している会社が希望退職を募集した場合,

これに応じるべきか否かは悩ましい問題です。

 

 

本日は,希望退職について解説します。

 

 

2 希望退職の募集は整理解雇の前段階で実施されることが多い

 

 

希望退職の募集は,整理解雇の前段階として実施されることが多いです。

 

 

整理解雇は,会社の業績悪化を理由とする解雇のことで,

解雇される労働者に落ち度がないことがほとんどなので,

整理解雇が有効になるためには,

以下の整理解雇の4要件(4要素)を満たさなければなりません。

 

 

①人員削減の必要性

 

 

 ②解雇回避努力を尽くすこと

 

 

 ③人選の合理性

 

 

 ④労働者に対する説明を尽くすこと

 

 

このうち,②解雇回避努力として,会社は,

希望退職の募集をすることが多いです。

 

 

希望退職の募集は,労働者の意思を尊重しつつ,

人員削減を図るものなので,合理性の高い方法といえます。

 

 

そのため,希望退職の募集をせずに,いきなり,

特定の個人を指名して解雇した場合には,

②解雇回避努力をしていないとして,

解雇が無効になる可能性があるのです。

 

 

また,希望退職に応じなければ,

対象者全員を解雇するとして行われた希望退職の募集について,

希望退職の募集は,労働者の自主的な決定を尊重しうる点に

意味があるところ,このような希望退職の募集では,

労働者に退職しない自由がないとして,

希望退職の募集の趣旨に沿わないとして,

解雇回避努力義務を怠ったと判断された裁判例があります

(株式会社よしとよ事件・京都地裁平成8年2月27日判決・

労働判例713号86頁)。

 

 

あくまで,希望退職に応じるか否かの判断を,

労働者の自由な意思決定に委ねなければならないのです。

 

 

そして,希望退職の募集に際しては,

労働者の任意の退職を促進するような条件をつけていないと,

解雇回避努力として評価されないことが多いです。

 

 

そのため,希望退職に応じた場合には,

退職金を上乗せすることが多く行われています。

 

 

3 希望退職の募集に応じるべきか

 

 

以上をまとめますと,希望退職の募集は,

整理解雇の前段階として行われるもので,

会社が真摯な態度で実施しないと,

②解雇回避努力として不十分と評価されることになります。

 

 

労働者としては,希望退職の募集については,

自主的な決定が尊重されていますので,これに応じるか否かは,

ご自身の損得勘定をもとに合理的に判断してください。

 

 

希望退職が募集されたということは,整理解雇の予兆なので,

会社の業種が悪化している指標とも言えますので,

この会社に勤務し続けても未来はないとして,

上乗せされた退職金をもらって退職するのも一つの道です。

 

 

 

他方,今退職したら,次の就職先が見つからないと

考える方もいますので,そのときには,希望退職に応じずに,

そのまま勤務し続ければいいのです。

 

 

ご自身の損得勘定をはたらかせて,合理的に決断してください。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

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