過労死弁護団第31回総会in犬山

昨日,私が所属している過労死弁護団全国連絡会議

第31回総会が愛知県犬山市で開催されたので,参加してきました。

 

 

過労死弁護団とは,過労死や過労自殺の労災申請,

行政訴訟,会社に対する損害賠償請求訴訟に取り組む

全国の弁護士集まりで,毎年1回,全国の弁護士が一堂に会し,

過労死や過労自殺の事件について協議します。

 

 

 

 

このような集まりに参加すると,

全国各地にいる経験豊富な弁護士からスキルやテクニックを

学ぶことができるので,よほど重要な案件がない限り,

私は,毎年参加するようにしています。

 

 

過労死や過労自殺の事件は,相談から実際に事件として

依頼を受けるまでにハードルが高いので,

頻繁に担当するわけではないのですが,

専門性の高い分野ですので,全国の弁護士が集まる会に参加して,

情報を収集して,自分のスキルやテクニックを

ブラッシュアップしていく必要があると考えています。

 

 

全国の弁護士が,自分が担当した事件を紹介し,

他の弁護士の事件を学びながら,互いに経験を共有して,

自分の事件に活用していくのです。

 

 

毎年,過労死弁護団の総会では,

幹事長の川人博先生のご報告を聞くことで,

1年間の裁判や労災の状況,

何が問題になっているのかがよくわかります。

 

 

(講演する川人博先生)

 

川人先生は,過労死や過労自殺の分野の第一人者で,

数多くの過労死,過労自殺事件に取り組まれています。

 

 

そのような第一人者の先生から,

実務で役立つスキルやノウハウを学べるので,大変有意義でした。

 

 

とくに,今回の総会では,川人先生から,

過失相殺(労働者側にも落ち度があり,損害額が減額されること)や

素因減額(労働者の病気や肉体的精神的要因が原因で

損害が発生したり拡大した場合に損害額が減額されること)

を会社が主張してきた場合には,

電通事件,東芝(うつ病・解雇)事件,

アテスト(ニコン熊谷製作所)事件

3つの裁判例を利用すればいいと教わりました。

 

 

川人先生に教えてもらうまで,

知らなかった裁判例もありますので,今後,ブログで紹介していきます。

 

 

また,他にも,過労死や過労自殺の場合,

役所や会社が調査報告書を作成していることがあり,

その調査報告書に,貴重な情報が書かれているので,

証拠保全手続きで確保すべきことを学びました。

 

 

パワハラの事件では,個々のパワハラの出来事を

個別に判断するのではなく,一連のものとして総合判断することで,

損害賠償請求が認められたり,

会社の同僚が協力してくれたので,

パワハラの事実を証明できたなどの体験談を聞くことができました。

 

 

過労死弁護団の総会で学んだ知識を,

今後の過労死・過労自殺事件に活用していきます。

 

 

なお,せっかく愛知県犬山市へいってきたので,

国宝犬山城を観光してきました。

 

 

 

犬山城は日本最古の木造の城のようで,

城の中に入ると木の香がしますし,最上階からは,

素晴らしい風景を眺めることができて,とても癒やされました。

 

 

 

 

旅先で新鮮な刺激をもらいましたので,

今後とも仕事をがんばっていきます。

 

 

本日もお読みいただき,ありがとうございます。