仮想通貨を差し押さえることができるのか?

先日,会宝産業株式会社が主催する仮想通貨の勉強会に参加し,

暗号通貨研究所の粕谷重雄氏の

「ブロックチェーンがもたらす社会革命と仮想通貨投資の最前線」

という講演を聞きました。

 

 

 

私が,仮想通貨に興味をもったのは,

弁護士法人パートナーズ法律事務所の弁護士原知良先生の講演を聞いた際に,

原先生が仮想通貨を差し押さえることができるのか

という問題提起をされたのがきっかけです。

 

 

お金を貸した人が,お金を借りた人に対して,

お金を返せという請求をする事件で考えてみましょう。

 

 

お金を貸した人は,お金を借りた人に対して,

貸したお金を返せという債権をもっています。

 

 

債権とは,ある人がある人に対して,

一定の行為(給付)をすることを請求できる権利をいいます。

 

 

この債権を回収するためには,

お金を借りた人に電話をしたり,直接会って,

お金を返してほしいと交渉しますが,

それでも回収できない場合,

弁護士に依頼して,回収を図ります。

 

 

弁護士が交渉しても回収できない場合,

裁判をおこして,○○円を支払えという判決をとります。

 

 

そして,判決がでても,お金を支払わない

借主に対しては,強制執行でお金を回収します。

 

 

具体的には,借主の給料を差し押さえたり,

預金を差し押さえたりします。

 

 

貸主が借主から,お金を無理やり取り返すことは禁止されています。

これを自力救済の禁止といいます。

 

 

それでは,借主には,給料や預金などのめぼしい財産がないが,

仮想通貨をもっていた場合に,

この仮想通貨を差し押さえることができるのでしょうか。

 

 

 

 

そもそも,仮想通貨は債権なのか?

 

 

仮想通貨をどうやって特定するのか?

 

 

疑問だらけです。

 

 

粕谷氏の話によると,仮想通貨は,財産の隠匿に有利で,

実質的に差し押さえは不可能とのことでした。

 

 

仮想通貨の差し押さえが不可能であれば,

請求を免れたい人は,財産を仮想通貨としてもっていれば,

差し押さえを免れて,お金を支払わなくてよくなります。

 

 

そうなると,貸主は,泣き寝入りになってしまいます。

裁判をする意味が失われて,自力救済が横行するリスクもあります。

 

 

このような結果は,社会正義に反するように思いますが,実際に,今,

裁判所が仮想通貨を差し押さえる決定を出してくれるのか不明です。

 

 

また,債権回収の場面だけではなく,

離婚の際に仮想通貨は財産分与の対象になるのか,

相続の際に仮想通貨は遺産に含まれるのか,

破産の際に仮想通貨は破産者の財産になるのか,

などさまざまな法律分野で仮想通貨をどのように扱うのかを検討する必要があります。

 

 

ブロックチェーンという過去からの記録を

一切改ざんできずにデータを分散管理する技術は,

インターネットに匹敵する技術革新で,いずれは,

金融機関や役所が不要になるほどの可能性を秘めていますが,

財産隠しや詐欺に利用されるというマイナスの側面もあります。

 

 

私は,仮想通貨についてまだまだ勉強不足ですが,

今後も,仮想通貨の動向に注目しつつ,

仮想通貨の法律問題についてなにか分かれば,

ブログに投稿してみたいと思います。

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