パワハラの3つのハードル

平成29年度に全国の総合労働相談コーナーに寄せられた

労働相談の中で,もっとも多かった労働相談は,

「いじめ・嫌がらせ」で,全体の相談のうち23・6%を占めています。

 

 

約4分の1が「いじめ・嫌がらせ」に関する相談であり,

職場におけるパワハラが深刻な問題となっていることを物語っています。

 

 

 

 

深刻なパワハラ問題ですが,パワハラを理由に会社に

損害賠償請求をするには,3つのハードルがあります。

 

 

1つ目は,立証のハードルです。

 

 

「バカ」,「アホ」,「給料泥棒」といった言葉の暴力の場合,

ボイスレコーダーなどで録音しておかないと,

言った言わないの問題となり,

パワハラの事実を証明することが困難となります。

 

 

労働者は,パワハラの事実を証明するために,言葉の暴力を受けた場合,

ボイスレコーダーなどで録音するようにしてください。

 

 

 

 

2つ目は,どのような言動が違法なパワハラと

認定されるのかというハードルです。

 

 

上司が部下のミスを注意・指導することは必要なことであり,

どこまで厳しく叱責すれば,

違法なパワハラになるのかという線引が難しいのです。

 

 

そこで,どのような言動が違法なパワハラと認定されるのかについて,

パワハラの裁判例を分析することが重要になります。

 

 

最近の裁判例ですと,A住宅福祉協会理事らほか事件において,

パワハラによる損害賠償請求が認められました

(東京地裁平成30年3月29日判決・労働判例1184号5頁)。

 

 

この事件では,次のような理事の言動が,

侮辱的かつ威圧的に,繰り返し退職を強要するものであり,

原告の名誉感情を侵害し,社会通念上許される範囲を超えて,

違法なパワハラに該当するとされました。

 

 

「自分の身の振り方を考えてください」

「ほら,返事がないの。業務命令違反になっちゃうよ,ほら」

「働けないという前提で,どうしますか」

「これやらないと,今度,懲戒解雇になるよ。退職金出ないよ」

「著しい障害だろう。おかしくなってるんだろう,

そういう行動をとるということは」

 

 

3つ目は,慰謝料の金額のハードルです。

 

 

労働者がパワハラの事実を立証して,

違法なパワハラだと認められたとしても,

労働者にとって満足できる慰謝料が認められない可能性があります。

 

 

慰謝料の金額は,ケース・バイ・ケースで判断されますが,

おおむね10万~150万円の範囲でしか認められていません。

 

 

上記の事件では,慰謝料の合計が50万円であり,

パワハラの被害者が納得できる金額に届いていないです。

 

 

このように,パワハラ事件は,頻繁に発生しているのですが,

上記の3つのハードルがあることから,

労働者が泣寝入りしてしまうことも多いのが現実です。

 

 

 

 

そこで,労働者が泣寝入りしないように,

せめて,2つ目のハードルである,

どのような言動が違法なパワハラになるのかについて,

法律で明確にするべきなのです。

 

 

法律で明確に禁止されるべきパワハラの類型が定められれば,

人は禁止される行為を控えるようになって,

パワハラが減少していく可能性があります。

 

 

現在,労働政策審議会において,

パワハラを禁止する法律を制定するかが議論されています。

 

 

パワハラで苦しむ労働者を少なくするためにも,

パワハラを禁止する法律の制定を実現させたいので,

下記のサイトにおいて電子署名にご協力いただければ幸いです。

 

 

http://ur0.work/Mu9I

 

 

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