パワハラの組織論からの分析2

本日は,昨日に引き続き,同志社大学教授の太田肇先生の

パワーハラスメントとはー組織論の見地から

という記事のアウトプットを行います。

 

 

パワハラが行われた場合,

被害者がパワハラから逃れられる方法として,

企業から出ていく「退出」と,

不満を訴えて改善させる「告発」という2つがあります。

 

 

「退出」という方法をとれば,企業は,

その被害者を失うだけでなく,

他の労働者も辞めてしまう可能性もあり,

パワハラが生じる職場では優秀な人材を

獲得することが困難となります。

 

 

 

そのため,「退出」はパワハラに対する抑止力となるのです。

 

 

しかし,「退出」したとしても,日本では

年功序列型賃金が根強く残っているので,

転職先で賃金の面でも役職の面でも待遇が低下したり,

退職金や年金でも不利になったりするので,

「退出」という方法がとりにくいのです。

 

 

また,「告発」という方法は,共同体の和を乱し,

忠誠を捨てる行為とみなされて,

共同体のメンバー全員を敵に回すリスクがあり,

この方法もとりにくいのです。

 

 

 

そのため,「退出」も「告発」もしにくく,

パワハラが抑止されない構造となっているのです。

 

 

このように,日本特有の共同体型組織が

パワハラの温床となっていることから,

パワハラを防止するには,共同体型組織から

個人に分化していくことが考えられます。

 

 

分化は,物理的,制度的,認識的の3つに分けられます。

 

 

物理的分化とは,在宅勤務やテレワーク,

オフィスに個人ごとの仕切りを設けて

プライバシーを確保することなどです。

 

 

在宅勤務やテレワークであれば,

パワハラをする上司と接する機会が減るので,

パワハラの被害にあう機会も当然に減ります。

 

 

 

制度的分化とは,個人の仕事や権限・責任の範囲,

キャリア,処遇などを制度として明確にすることなどです。

 

 

個人の仕事の分担を明確にすれば,自分の仕事をするうえで,

上司に相談したり,許可を得る必要がなくなり,

上司や会社に対する依存が減ります。

 

 

認識的な分化とは,仕事のプロセスを見える化したり,

仕事のアウトプットに署名を入れたりして,

1人ひとりの貢献や成果を客観的に把握することです。

 

 

個人の貢献度が客観的に把握できれば,

個人の側からそれを盾にして,

組織や上司からの無理な欲求を拒否することができるようになります。

 

 

組織論という見地からパワハラを分析すると

なるほどと理解できるところがたくさんあります。

 

 

日本の企業では,パワハラの温床となる要因がいくつかあり,

一朝一夕で改善することはできませんが,今後は,

個人を組織から分化していく社会的な仕組みを

構築していく必要があると実感しました。

 

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

 

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